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刺激の豊かな環境で過ごしたマウスは脳梗塞にかかっても軽症ですむ?

Do mice that have spent time in an enriched environment suffer less severe symptom after ischemic stroke?
Takahashi H, et al:Proc Natl Acad Sci U S A, 118, doi:10.1073/pnas.2018850118, 2021
坪井昭夫,高橋弘雄
Akio Tsuboi1)/ Hiroo Takahashi2):Graduate School of Frontier Biosciences, Osaka University1)/Faculty of Medicine, Kagawa University2)(大阪大学大学院生命機能研究科1)/香川大学医学部医学科2)
10.18958/6949-00003-0000846-00

脳梗塞などの脳血管障害は,死因の4位となる発生頻度の高い疾患で,その発症機序の究明は極めて重要である.これまで,脳梗塞の発症初期に転写因子Npas4の発現が梗塞部位の周囲の神経細胞で誘導され,細胞死を抑制することは示唆されていたが,その分子メカニズムは知られていなかった.今回,われわれはin vitroの虚血様負荷モデルを駆使することにより,Npas4の下流因子としてGemを同定し,これを介して電位依存性Ca2+チャネルを阻害し,細胞内へのCa2+流入を減少させることで,神経細胞死を抑制することを明らかにした.

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