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痛みはいかにして感知され,どのような意味を持つのか?:末梢性疼痛のしられざる発生機構とその生体調節機能

Novel pathways of pain sensation and their biological meanings
丸山健太
Kenta Maruyama:National Institutes of Natural Sciences, National Institute for Physiological Sciences(自然科学研究機構・生理学研究所)
10.18958/6535-00001-0000868-00

本稿では,末梢に分布する一次求心性神経がどのようにして外傷や感染に伴う痛みを感知しているのか,また,活性化した一次求心性神経が末梢組織や臓器に対していかなる影響を及ぼしているのかについて論じる.一見すると,末梢性疼痛の科学は研究対象として面白みに欠けるかもしれない.21世紀に入ってもなお,人々は末梢性疼痛の苦しみから解放されているようにはみえないし,医者たちは痛みの定量といった難問を前に立ち往生している.だが,これまでの実用面での業績は振るわなくとも,最新の細胞解析技術や遺伝子改変動物を駆使することで,末梢性疼痛の科学が個体レベルの医学に昇華するのだとしたらどうだろう? そんな新しい領域が勃興している現況を俯瞰すれば,今後の末梢性疼痛研究の進むべき方向が見えてくる.

末梢性疼痛,一次求心性神経,TRPチャネル,感染随伴疼痛,真菌感染症

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