スマホで読める実験医学
550円

がん・免疫における痛みの新たな役割

A novel role of pain sensation in the innate immune system and tumor progression
濱田祐輔,成田 年
Yusuke Hamada/Minoru Narita:Department of Pharmacology, Hoshi University School of Pharmacy and Pharmaceutical Sciences(星薬科大学薬理学研究室)
10.18958/6535-00001-0000869-00

さまざまな疾病に関して,痛みの残存が,病状を悪化させることが広く議論されている.これは,痛覚を伝達する知覚神経の生理的意義について詳細に分析することの必要性を示している.同時に,免疫学・腫瘍学の研究領域において,「知覚神経と免疫細胞」あるいは「知覚神経とがん細胞」の局所的な異種細胞間相互作用のメカニズムが紐解かれつつあり,知覚神経を介した細胞機能修飾が病状悪化のcritical pointとなりうる.そこで本稿では,“知覚神経-免疫-がん”クロストーク機構の最新の研究成果について紹介し,“鎮痛の意義”について議論したい.

痛覚,知覚神経,軸索反射,神経ペプチド,細胞-細胞間相互作用

この記事は有料記事です

(残り約6,700文字)

  • 【スマホで読める実験医学】がん・免疫における痛みの新たな役割
    550円