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GWASからマイクロRNAの複雑形質への関与の解明に挑む

Integration of genetics and genomics of miRNA elucidates the novel biology of human complex traits
坂上沙央里,岡田随象
Saori Sakaue1)〜3)/Yukinori Okada1)4):Department of Statistical Genetics, Osaka University Graduate School of Medicine1)/Laboratory for Statistical Analysis, RIKEN Center for Integrative Medical Sciences2)/Graduate School of Medicine, the University of Tokyo3)/Laboratory of Statistical Immunology, Immunology Frontier Research Center(WPI-IFReC),Osaka University4)(大阪大学大学院医学系研究科遺伝統計学1)/理化学研究所統合生命医科学研究センター統計解析研究チーム2)/東京大学大学院医学系研究科内科学専攻3)/大阪大学大学院医学系研究科免疫学フロンティア研究センター免疫統計学4)
10.18958/6543-00001-0000883-00

世界的に行われてきたGWAS解析の結果,ヒトゲノム30億塩基対のなかで複雑形質に影響する場所を示す地図の姿が明らかになってきた.この地図は予想されていたよりも複雑であり,おのおのはごく小さな影響しかもたない変異が,全ゲノムにわたって大量に足し合わせられることによって個人差が規定されていることがわかった.さらに,疾患関連領域の多くは遺伝子の非コード領域であり,非コード領域を含めた地図の意味付けが今後の課題だろう.本稿では,非コード領域のなかでも最近ヒト形質との関連が注目されているマイクロRNAに着目し,GWAS・マイクロRNAの機能予測・組織特異的発現の三者を組合わせることでわかったマイクロRNAのgeneticsについて述べたい.

マイクロRNA,GWAS,MIGWAS,インシリコ・スクリーニング,組織特異性

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