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がん予防学の科学的・社会的側面と現状

Scientific / social aspects and current status of cancer prevention
武藤倫弘,飯泉陽介,藤井 元
Michihiro Mutoh1)/Yosuke Iizumi1)/Gen Fujii2)(Department of Molecular-Targeting Prevention, Graduate School of Medical Science, Kyoto Prefectural University of Medicine1)/Central Radioisotope Division, National Cancer Center Research Institute2)(京都府立医科大学 大学院医学研究科 分子標的予防医学1)/国立がん研究センター研究所 RI実験施設2)
10.18958/6619-00001-0000944-00

死亡数・罹患数ともに増え続けるがん患者を減らすために最も有効な手段の一つは予防である.しかし,がん予防の基礎研究が科学的にどこまで進んでおり,先制医療として社会にどの程度認知されているのか,を実際知っている人は少ないのではないだろうか? 本稿では存在するがんを見出す「二次予防」であるがん検診の開発研究ではなく,がん発症自体を抑える「一次予防」,なかでも薬剤や機能性食品を用いた「がん化学予防」にかかわる基礎/臨床研究を概説する.加えてがん予防の社会実装体制に関して,大腸がん予防を中心に考えてみたい.

先制医療,分子標的予防薬,ケミカルバイオロジー,前がん病変,アスピリン

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