スマホで読める実験医学
550円

DNA・RNA高次構造体「グアニン四重鎖」とリピート病

G-quadruplex structures and repeat diseases
塩田倫史
Norifumi Shioda:Kumamoto University, Department of Genomic Neurology, Institute of Molecular Embryology and Genetics(IMEG)(熊本大学 発生医学研究所 ゲノム神経学分野)
10.18958/6633-00001-0000954-00

グアニンリッチなゲノム領域では,非ワトソン−クリック型塩基対によりグアニン四重鎖(G-quadruplex,G4)構造とよばれる独特の核酸高次構造が形成される.これまでの研究により,G4構造の異常形成が神経疾患の発症に関与することが示唆されている.例えば,リピート病であるC9-ALS/FTDやFXTASはグアニンリッチ配列の拡張により異常なG4構造が形成され,神経機能に異常をきたす.さらに,G4構造結合タンパク質の異常も脳機能に影響を与える.本稿では,グアニンリッチ配列の伸長によるリピート病の神経病態とG4構造との関係について紹介し,G4構造をターゲットとする新しい脳機能改善治療戦略についても提唱する.

グアニン四重鎖,リピート病,神経病態,脳機能改善薬

この記事は有料記事です

(残り約9,100文字)

  • 【スマホで読める実験医学】DNA・RNA高次構造体「グアニン四重鎖」とリピート病
    550円