化学と生物学が融合した新しい研究分野,ケミカルバイオロジーが切り拓くがん医療・創薬の最前線!DNAオリガミ等の注目の技術や,疾患のイメージングやDDSに役立つ化学的アプローチの数々をわかりやすく解説.
目次
序にかえて─疾患克服をめざしたケミカルバイオロジー【浦野泰照】
第1章 ケミカルバイオロジーの発想に基づく新規疾患ターゲットの発見と創薬
1. リン酸化プロテオミクスの確立と疾患シグナル分子標的の探索【石濱 泰/若林真樹】
- 細胞内リン酸化ワールド
- リン酸化プロテオーム解析
- 定量的リン酸化プロテオミクスの展開
2. メタボローム解析に基づくがん特異的代謝の解明【平山明由/曽我朋義】
- CE-MS によるメタボローム測定法
- がんのエネルギー代謝
3. 抗体に依存しない新しいタンパク質定量技術の個別化治療への応用【大槻純男】
- 質量分析によるタンパク質の特異的定量
- アミノ酸配列に基づく定量標的ペプチド設計
- タンパク質発現と遺伝子発現
- 分子標的薬の個別化治療への展開
4. 病態診断,薬理,創薬のためのシステムズバイオロジー【奥野恭史】
- 病態診断におけるシステムズバイオロジー
- 薬理作用のシステムズバイオロジー
- 創薬応用を実現するシステムズケミカルバイオロジー
5. RNA を標的とした新しい創薬戦略【片岡直行/萩原正敏】
- SR タンパク質とそのリン酸化酵素
- SRPK 特異的阻害剤SRPIN340 と抗VEGF 療法
- Clk 特異的阻害剤TG003 による筋ジストロフィーのエキソンスキッピング療法
- DYRK 特異的阻害剤INDY による若年性アルツハイマー病治療
6. JFCR39 がん細胞パネルの活用による新たな抗がん剤創薬【矢守隆夫/大橋愛美】
- Cancer Cell Informatics とは:「細胞ベース」から「標的ベース」への架け橋として
- Cancer Cell Informatics の分子標的薬創薬への応用
第2章 ケミカルバイオロジーで実現する生体疾患イメージング
1. 抗体を用いたがん特異的蛍光分子イメージングと分子標的光治療の基礎と戦略【小林久隆】
- 従来の抗体を用いたがんの分子イメージング
- 放射性同位元素標識分子を用いた核医学的手法
- 光イメージング技術を用いた最新の画像方法論
- イメージングの方法論は,特異的がん治療に進化するか?
2. アクチベータブル近赤外蛍光プローブの創製による蛍光がんイメージング【小川美香子】
- 近赤外蛍光分子
- アクチベータブル近赤外蛍光プローブ
- マルチモダルイメージングプローブへの展開
3. アミノ酸トランスポーター活性を指標としたPET がんイメージングの可能性
─ グルコース代謝やDNA 合成を指標にしたイメージングとの比較【塚田秀夫】
- PET イメージングの原理
- アミノ酸トランスポーターを指標にしたがんイメージング
- DNA 合成活性を指標にしたがんイメージング
4. りん光プローブの設計・開発に基づくin vivo低酸素環境イメージング【飛田成史/吉原利忠/穂坂正博/竹内利行】
- 蛍光とりん光はどこが違うのか
- りん光消光を利用した酸素計測
- 金属錯体のりん光を用いた細胞・組織内酸素計測
- イリジウム錯体のりん光を用いた低酸素細胞・組織イメージング
5. 細胞内還元反応を活用した低酸素環境イメージング【田邉一仁/原田 浩/平岡眞寛/西本清一】
- 低酸素環境に応答するシグナル発信分子群
- 低酸素応答性置換基インドールキノン
- NMR・MRI で低酸素環境を可視化するインドールキノン型プローブ
- 低酸素環境を可視化するインドールキノン型蛍光プローブ
6. ICG を活用した肝がん蛍光イメージングの臨床応用【石沢武彰/宮田陽一/國土典宏】
- ICG を用いた手術ナビゲーションの概要
- ICG 蛍光法による肝がんイメージングの開発
- ICG 蛍光法の肝切除への応用
- ICG 蛍光法の課題と将来展望
7. 機能性MRI 造影剤の分子設計および動脈硬化イメージング【花岡健二郎】
- MRI 造影剤の原理
- 機能性MRI 造影剤の分子設計
- 動脈硬化のMRI イメージング
8. 高感度MRI 造影剤の開発に基づくin vivo がんイメージング【近藤輝幸/木村 祐】
- MR 信号の発生と造影剤によるコントラスト向上の原理
- Gd3 +造影剤の高感度化へのアプローチ
- In vivo がんイメージングへのアプローチ
9. 蛍光プローブの精密設計に基づくin vivo 迅速蛍光がんイメージング【神谷真子/浦野泰照】
- スピロ環化平衡を利用した蛍光プローブ設計法の確立
- rhodol のスピロ環化平衡に基づくβ - ガラクトシダーゼ蛍光プローブの開発
- hydroxymethyl rhodaminegreen のスピロ環化平衡に基づくin vivo がん部位迅速検出蛍光プローブの開発
第3章 ケミカルバイオロジーによる新たなDDS,生体機能制御技術
1. 診断- 治療一体型DDS 技術に基づく新しい抗がん医療【西山伸宏/片岡一則】
- DDS によるがんイメージングと標的治療
- イメージングによるDDS の生体内挙動の解明
- 診断- 治療一体型DDS の開発
2. 糖修飾超音波応答性リポソームによるがん免疫治療・抗炎症治療戦略【運 敬太/川上 茂/橋田 充】
- 超音波応答性マンノース修飾リポソーム/ 核酸複合体の開発
- 遺伝子発現増強機構の解明
- 疾患治療への応用
3. 抗間質抗体化学修飾による固形がん克服へのアプローチ【眞鍋史乃/安永正浩/松村保広】
4. ケージド化合物を活用したin vivo での遺伝子の機能調節【古田寿昭】
- 遺伝子の機能発現を光制御するケージド化合物
- 外来遺伝子の過剰発現および異所発現の光活性化
- 目的遺伝子の光によるサイレンシング
5. 糖鎖機能解明に向けた新規化学修飾反応
─糖鎖とリンパ球のin vivo イメージング【深瀬浩一/田中克典】
- 革新的リジン残基標識プローブの開発と糖タンパク質のPET イメージングへの応用
- 糖鎖デンドリマープローブの作成とイメージング
- 細胞表層の標識と細胞表層糖鎖エンジニアリングと細胞動態の可視化
第4章 疾患克服をめざした革新的最新技術
1. 機能性小分子プローブの精密設計による高選択的タンパク質ラベル化技術の創製【鎌田瑠泉/浜地 格】
- アフィニティータグ融合によるタンパク質ラベル
- タンパク質- リガンド認識を利用したタンパク質ラベル
2. RaPID システムが創る特殊ペプチド創薬【伊藤健一郎/菅 裕明】
- 医薬品という観点から見た特殊ペプチド
- 特殊ペプチドの翻訳合成
- RaPID システムを用いたシード化合物探索
3. DNA オリガミによる1分子観察系の構築と応用【遠藤政幸/杉山 弘】
- 1分子観察系への応用
- DNA 分子機械への応用
- 三次元DNA 構造体の操作
4. 高精度・高感度な生体分子解析を実現する核磁気共鳴分子プローブ【山東信介/秦 龍ノ介】
- 多重共鳴NMR 技術を利用した高選択的プローブ分子
- 核偏極技術を利用した高感度分子プローブ
5. 細胞を用いた組織様構造の形成技術と医療への応用【森本雄矢/竹内昌治】
- 細胞を内包したハイドロゲルモジュール
- 移植医療への応用
- 組織構築
6. アルキン標識を用いた低分子化合物のラマンイメージング【山越博幸/闐闐孝介/安藤 潤/藤田克昌/袖岡幹子】
- ラマンイメージング
- アルキン標識を用いたclick-free ラマンイメージング
- DNA合成の生細胞モニタリング
7. 細胞治療を助ける小分子合成化合物【竹本尚弘/平田 直/上杉志成】
- 初期化促進小分子化合物
- 未分化維持小分子化合物
- 分化促進小分子化合物
- 分化細胞の精製
- 移植細胞の生着率の向上
8. 誰もが使える化合物ライブラリーの構築によるスクリーニングから始める創薬研究の促進【小島宏建/岡部隆義/長野哲雄】
- 誰もが使える大規模化合物ライブラリー
- オールジャパンの創薬研究ネットワークづくり
- 政治的環境・外国の現状
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(2021年8月23日)
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