ライフサイエンストップジャーナル300編の「型」で書く英語論文

言語学的Move分析が明かしたすぐに使える定型表現とストーリー展開のつくり方

  • 河本 健,石井達也/著
  • 2022年03月10日発行
  • A5判
  • 376ページ
  • ISBN 978-4-7581-0852-2
  • 4,290(本体3,900円+税)
  • 在庫:あり
本書を一部お読みいただけます

Introductionの構成は,調べたほとんどの論文で,Move-1→Move-2→ Move-3の順で展開されていた.すなわち,研究対象の紹介Move-1)からはじめて,先行研究のまとめと問題提起Move-2)を行い,最後に本研究の紹介Move-3)を行うという流れである.またStepについても,Step①Step②へと進行するのが一般的である.また,Move-3の冒頭は,Here, weやIn this study, weのような定型表現ではじまる場合が断然多い.これらの表現は,重要なMove-3冒頭のSignpostとなる.…

続きを読む
PDFダウンロード

客観的データに基づく論文の書き方がわかる!論文を12のパート(Move)に分け,定型表現とストーリー展開のコツを解説.執筆を楽にする論文の「型」とトップジャーナルレベルの優れた英語表現が身につく!

目次

Part1 基礎編 Moveの概略:論文の「型」

1 生命科学英語論文のMoveとその特徴

1 IMRaD型とIRDaM型
2 IntroductionのMoveとその特徴
3 ResultsのMoveとその特徴
4 DiscussionのMoveとその特徴
5 Materials & MethodsのMoveとその特徴

2 Moveとパラグラフの関係

1 IntroductionのMoveとパラグラフ構成
2 ResultsのMoveとパラグラフ構成
3 DiscussionのMoveとパラグラフ構成

3 IntroductionのMoveキーワードとキーフレーズ

1 頻出単語とMoveキーワードの比較
2 IntroductionのMoveキーワード
3 I Move-1のMoveキーワードとキーフレーズの特徴
4 I Move-2のMoveキーワードとキーフレーズの特徴
5 I Move-3のMoveキーワードとキーフレーズの特徴

4 ResultsのMoveキーワードとキーフレーズ

1 ResultsのMoveキーワード
2 ‌R Move-1のMoveキーワードとキーフレーズの特徴
3 ‌R Move-2のMoveキーワードとキーフレーズの特徴
4 ‌R Move-3のMoveキーワードとキーフレーズの特徴

5 DiscussionのMoveキーワードとキーフレーズ

1 DiscussionのMoveキーワード
2 ‌D Move-1のMoveキーワードとキーフレーズの特徴
3 ‌D Move-2のMoveキーワードとキーフレーズの特徴
4 ‌D Move-3のMoveキーワードとキーフレーズの特徴

6 Materials & MethodsのMoveキーワードとキーフレーズ

1 Materials & MethodsのMoveキーワード
2 ‌M Move-1のMoveキーワードとキーフレーズの特徴
3 ‌M Move-2のMoveキーワードとキーフレーズの特徴
4 ‌M Move-3のMoveキーワードとキーフレーズの特徴

Part2 本編 英語定型表現集

IntroductionにおけるMove/Step別の頻出定型表現

I Move-1:研究対象の紹介

Step 1 研究対象の背景情報(定義・重要性・特徴)

1)研究対象を定義する表現
2)研究対象の重要性や重篤性を強調する表現
3)研究対象の特徴を説明する表現

Step 2 研究対象に関する課題の提示

1)未解明の課題を提示する表現
2)課題解決の必要性を訴える表現

I Move-2:先行研究と問題提起

Step 1 重要な先行研究の紹介(着眼点の提示)

1)対象の特徴を説明する表現
2)先行研究を紹介する表現
3)最近の重要な先行研究を紹介する表現(着眼点の提示表現)
4)先行研究の示唆を示す表現

Step 2 解くべき問題の提示

1)問題点を提示する表現1(解明されていないことを述べる)
2)問題点を提示する表現2(疑問点を述べる)
3)対象の可能性を示す表現

I Move-3:本研究の紹介

Step 1 本研究の概略

1)I Move-3冒頭のSignpost 1 (Here, we ~)
2)I Move-3冒頭のSignpost 2 (To Ⓥ …, we ~)
3)主な結果を述べる表現 (we show that ~)
4)主な検討内容を述べる表現 (we investigated ~)
5)主な実験方法を述べる表現 (we used ~)

Step 2 本研究で得られた知見のまとめと展望

1)得られた知見の解釈・まとめ・結論を示す表現
2)展望を述べる表現

ResultsにおけるMove/Step別の頻出定型表現

R Move-1:実施した実験の説明

Step 1 背景情報と先行研究

1)対象の性質を説明する表現
2)先行研究を紹介する表現

Step 2 実験を実施した根拠や仮説

1)根拠(理由)に基づいていることを示す表現1(Because ~,we …)
2)根拠(理由)に基づいていることを示す表現2(動詞+us to do)
3)根拠(理由)に基づいていることを示す表現3(therefore)
4)実験の前提となる仮説を示す表現

Step 3 実験を実施した目的(to不定詞)

1)文頭のto不定詞1:whether/if/how節を目的語とする表現
2)文頭のto不定詞2:評価を行うための表現
3)文頭のto不定詞3:知識を広げる意味の表現
4)文頭のto不定詞4:仮説や疑問の検証を目的とする表現
5)文頭のto不定詞5:確認を行うときの表現
6)文頭のto不定詞6:具体的な実験内容や方法を示す表現
7)実験目的を示すための文頭の副詞句の表現
8)意図を示す表現(~しようとした)

Step 4 実験の実施(行ったこと)

1)検討した内容を示す表現1(We ~ whether/if節;われわれは…かどうかを~した)
2)検討した内容を示す表現2(We ~ the …;われわれは…を~した)
3)実施した実験について述べる表現1(能動態表現)
4)実施した実験について述べる表現2(受動態表現)
5)列挙・追加を示す表現
6)文頭のto不定詞で目的を示した後に行ったことを述べる表現(To ~,we …;~するために,われわれは…した)

R Move-2:実験結果の提示

Step 1 (注目すべき)発見の提示

1)注目すべき発見を述べる表現
2)結果が得られたことを示す表現 〔受動態:~が観察された(was observed)など〕
3)確認したことを示す表現
4)図表の提示表現

Step 2 量的(質的)変化の提示

1)変化を述べる表現1(われわれが,~をみつけた:we observed/found ~)
2)変化を述べる表現2〔実験(結果)が,~を明らかにした:showed/revealed ~〕
3)変化を述べる表現3(対象が,~を示した:exhibited/displayed/showed ~)
4)変化を述べる表現4(~を引き起こした)
5)変化を述べる表現5(受動態)
6)変化を述べる表現6(there was ~)
7)有意な変化を論じる表現(significantly)
8)完全な抑止を示す表現(completely)

Step 3 結果の比較

1)比較級とthanを使う表現
2)comparedを使う比較表現
3)一致を示す表現
4)関連性を述べる表現

Step 4 変化がなかったことの提示(否定の表現)

1)副詞を用いる否定表現(not)
2)形容詞を用いる否定表現(no)
3)変化がなかったことを示す表現(remained)

Step 5 情報の追加や対比

1)文頭のつなぎ表現
2)文中でalsoを用いる表現
3)対比表現

R Move-3:結果についてのコメント

Step 1 結果の解釈

1)結果の解釈を述べる表現1(文で示す場合)
2)結果の解釈を述べる表現2(現在分詞構文やwhichを使う場合)
3)可能性や必要性を述べる表現
4)性質や様式を述べる表現

Step 2 結果の一致

1)仮説や先行研究と一致していることを示す表現

Step 3 結果のまとめと結論

1)結果全体を解釈する表現(まとめ)
2)結論を述べるときの表現
3)対象の重要性や必要性を述べる表現

DiscussionにおけるMove/Step別の頻出定型表現

D Move-1:本研究の概略

Step 1 背景情報の再提示

1)背景情報や問題を再提示する表現

Step 2 本研究の成果の概略

1)本研究で明らかにした知見の概略を示す表現

Step 3 本研究の結論と意義

1)本研究の結論や意義を示す表現

D Move-2:個々の実験の考察

Step 1 個々の実験の背景と先行研究

1)最近(以前)の先行研究に言及する表現

Step 2 個々の実験結果の提示

1)(重要な)結果を再提示する表現
2)否定の表現

Step 3 個々の実験の解釈・主張

1)解釈や主張を述べる表現
2)可能性を述べる表現
3)異なる解釈を述べる表現
4)先行研究などとの比較表現

Step 4 個々の実験の課題

1)(残された)問題点を述べる表現
2)将来の課題を述べる表現

D Move-3:まとめと将来展望

Step 1 本研究のまとめと結論

1)まとめや結論を述べる表現
2)可能な解釈を述べる表現

Step 2 本研究の将来展望

1)研究の有用性を述べる表現
2)残された課題を示す表現

Materials & MethodsにおけるMove/Step別の頻出定型表現

M Move-1:研究試料の準備

Step 1 研究試料の入手と作製・調製

1)研究試料・試薬の紹介と入手先の提示表現
2)研究試料の製作や調製について述べる表現
3)先行研究などを参照して方法を示す表現

Step 2 研究試料の維持管理・処置

1)研究試料の維持や準備について述べる表現
2)研究試料・対象の処置について述べる表現

Step 3 研究倫理と標本サイズ

1)研究倫理に関する表現
2)標本サイズに関する表現

M Move-2:実験の実施

Step 1 実験の具体的な手順

1)準備・処理・回収・固定について述べる表現(細胞を用いるとき)
2)試料の調製・固定について述べる表現(組織などを用いるとき)
3)分析の方法について述べる表現(抗体などを用いるとき)
4)DNA/RNAを扱う実験について述べる表現
5)実験の順番を示す表現

Step 2 実験・分析・定量化の実施

1)実験の実施について述べる表現
2)定量的な実験について述べる表現
3)ソフトウェアによる分析を示す表現
4)先行研究を参照して実験方法を示す表現

M Move-3:統計解析とバイオインフォマティクス

Step 1 統計解析とデータ提示

1)統計解析について述べる表現
2)データ提示について述べる表現

Step 2 大規模データのコンピューター解析

1)遺伝子配列データのマッピングに関する表現
2)その他の大規模データの解析に関する表現

Part3 応用編 ストーリー展開のためのヒント

1 Introductionのストーリー展開

1 Introductionの構造
2 ‌I Move-1(研究対象の紹介)の冒頭文と最終文の分析
3 ‌I Move-2(先行研究と問題提起)の冒頭文と最終文の分析
4 ‌I Move-3(本研究の紹介)の冒頭文と最終文の分析
5 Introductionのストーリー展開のまとめ

2 Resultsのストーリー展開

1 Resultsの構造
2 Results冒頭文(R Move-1の1巡目)の分析
3 ‌R Move-1(実施した実験の説明)の2巡目以降の冒頭文の分析
4 ‌R Move-2(実験結果の提示)の冒頭文の分析
5 ‌R Move-3 (結果についてのコメント) の冒頭表現の分析
6 ‌R Move-1~3における頻出動詞と主語のまとめ
7 Resultsのストーリー展開のまとめ

3 Discussionのストーリー展開

1 ‌D Move-1(本研究の概略)の冒頭文と最終文の分析
2 ‌D Move-2(個々の実験の考察)のパラグラフ冒頭文と最終文の分析
3 ‌D Move-3(まとめと将来展望)の冒頭文と最終文の分析
4 Discussionのストーリー展開のまとめ

4 Materials & Methodsの小見出しとキーフレーズ

1 Materials & Methodsの小見出しの分析
2 Materials & Methodsのキーフレーズと小見出しの対応

購入方法・送料について

本書は全国の羊土社取扱書店にてご購入いただけます.店頭にて見当たらない場合は,下記情報を書店にお伝え下さい.

  • 【本書名】ライフサイエンストップジャーナル300編の「型」で書く英語論文〜言語学的Move分析が明かしたすぐに使える定型表現とストーリー展開のつくり方
  • 【出版社名】羊土社

お近くに取扱書店が無い場合,特に海外でご覧になりたい場合,羊土社HPでのご注文および発送も承っておりますので,下記ご参照のうえ,注文をご検討ください.

羊土社HPでのご注文について

本書を羊土社HPにてご購入いただきますと,本体価格に加えて,送付先・お支払い方法などにより下記の費用がかかります.お手続き等詳細は書籍購入案内のページをご参照ください.

分類 項目 費用
国内 消費税 +390円
送料 +500円
手数料(代引きのみ) +300円
海外 航空便送料 第1地帯(アジア、グアム、ミッドウェイ等) +820円
第2地帯(オセアニア、中近東、北米、中米) +1050円
第2地帯(ヨーロッパ) +1050円
第3地帯(アフリカ、南米) +1370円
EMS便送料 第1地帯(アジア、グアム、ミッドウェイ等) +1540円
第2地帯(オセアニア、中近東、北米、中米) +2180円
第2地帯(ヨーロッパ) +2400円
第3地帯(アフリカ、南米) +2740円

※この表は本書のみご購入いただいた場合の費用をまとめたものです.他の書籍を同時に購入する場合はお申し込み金額や重量により費用が異なってまいりますのでご注意ください.

海外でご活躍中の皆さまへ 書籍のご購入方法,電子書籍,そのほか役立つ情報をご案内します

法人向け 購入のお問い合わせ

法人での書籍の一括購入につきまして,「見積書や請求書払い」「複数の発送先への対応」「研修用などで使用する書籍の選定についてのアドバイス」等、下記フォームよりお気軽にお問い合わせください。

こちらの書籍もお勧めいたします

  • 9784758108577
  • 9784758108560
  • 9784758108553
  • 9784758108546
  • 9784758108539
  • 9784758121132
  • 9784758108515

全国書店にて販売中

オンライン書店で購入する

電子版を購入する

サイドメニュー開く