特集1:多能性をもつES細胞(胚性幹細胞)は,再生医療の実現に重要な役割を果たすとともに,発生や細胞分化などの基礎研究に幅広く利用されている.本特集では,マウスおよび霊長類ES細胞の培養法,未分化状態維持と腫瘍化法,さらには各組織への分化誘導法について,今すぐ実践可能な『厳選プロトコール』も含めて紹介する.特集2:分子生物学を研究する多くの人たちにとって,cDNA解析は「すでにできあがった技術」であった.しかし,ゲノム構造が次々に明らかにされ,包括的に1つの生物の遺伝子を調べてみたいという要求が強まってくると,cDNAを上手く活用できるかどうかが研究の成否の大きな分かれ目となる.本特集を通じて,cDNA解析とそのクローンリソースの現状に理解を深め,フルに活用していただきたいと願っている.
目次
特集1
ES細胞を制御する最新テクニック《&厳選プロトコール》
ヒト・霊長類のES細胞株の樹立/無血清培地での培養法/
未分化状態の維持と腫瘍化法/各組織への分化誘導法
企画/岡野栄之,丹羽仁史
<序>Multi-edged swordとしてのES細胞研究
岡野栄之
【Part I】ES細胞培養の基本技術
無血清培養系を用いたES細胞自己複製の最適化
小川和也 丹羽仁史
奇形腫形成によるES細胞の評価法
山中伸弥
ヒトおよびサルES細胞の培養法〜長期安定増殖を可能にする継代維持方法〜
安達啓子 川瀬 栄八郎 末盛博文 中辻憲夫
【Part II】ES細胞分化の基本技術
ES細胞から心筋細胞への分化誘導法
福田恵一
ES細胞の神経系細胞への分化誘導法
加藤英政 伊藤 亜佐子
ES細胞から中内胚葉細胞への分化誘導〜内胚葉系細胞への選択的誘導に向けて
多田真輔 江良択実
特集2
バイオリソースとしてのcDNAフル活用!!
企画/小原 收
<概論>cDNAプロジェクトの現状とcDNAクローンリソースの利用
長瀬隆弘 小原 收
ヒトcDNAを用いた網羅的タンパク質発現と機能解析アプローチ
五島直樹 木須康智 渡辺慎也 野村信夫
cDNAを活用した植物機能ゲノミクス
青木 考 柴田大輔
cDNAを利用した網羅的抗体作製法
島田希代 古閑 比佐志
即発現可能なcDNAの入手法〜理研バイオリソースセンターを中心として〜
村田武英 横山和尚
BTジャーナルインタビュー
躍進する抗体医薬!〜中外製薬の研究開発と新たな産学連携の試み
上野幹夫(中外製薬株式会社 代表取締役副社長)
[新連載]テクノロジーレポート
■第1回 BIO2005 inフィラデルフィア〜既存技術の効果的利用が話題
村磯 鼎
実験メソッド&マニュアル
■プロテオーム研究なるほどQ&A 監修/礒辺俊明
第5回 同定データの整理法
田畑 剛 石濱 泰
■RNAi実験UPDATE 監修/多比良和誠
第4回 DNAiによる遺伝子機能の解析 〜その現状と将来性〜
和田正三 河合-豊岡博子
■最新蛍光イメージング活用術 監修/宮脇敦史
第4回 ゼブラフィッシュにおける蛍光イメージング実験
東島眞一 木村有希子
■細胞・組織の形態観察と解析のテクノロジー 監修/野地澄晴
第4回 InSituチップ:ホールマウント遺伝子発現解析手法の新たな潮流
小笠原道生
テクノ・トレンド
■世界最小の溶液チャンバーアレイを用いた超高感度の酵素アッセイ
野地博行
■セマティック酵素マイクロアレイ(TEMA)
Daniel P. Funeriu 三宅正人 三宅 淳
■高速で効率の良い“cDNA・genome遺伝子のクローニング法”
榎本 平 西村研吾 川本幸世
Bio News
[工学]癌化学療法の数学モデル
養王田 正文
[バイオインフォマティクス]進化する国際会議
有田正規
[ナノテクノロジー]金属イオンを自在に並べるDNAナノテンプレート
村上義彦
[バイオビジネス]三本の矢の訓え?
坂井知倫
ビジネス&パーソン
■産学連携時代の共同研究術
第4回 共同研究の形態および共同研究を始めるきっかけ
坂口謙吾
コラム
■研究室でお夜食を
第10回 異性希望
村上義彦
■喜怒脳楽
第5回 人間のフェロモンセンサーはどこにある?
山元大輔
■シリコンバレー春夏秋冬
第5回 あるスタートアップバイオベンチャーの話
赤間 勉
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- 【本書名】バイオテクノロジージャーナル:ES細胞を制御する最新テクニック
- 【出版社名】羊土社
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(2021年8月23日)
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