実験医学 1997年6月号 Vol.15 No.8

ヒト癌研究の最前線

今号では，日本人の死因の上位を占めている癌の，最新の研究動向と遺伝子診断を介した治療への応用を「ヒト癌研究の最前線」として，東京大学医科学研究所の中村祐輔先生にご企画いただきました．今後の研究の進展によって，癌が恐ろしい疾患ではなくなる日が来るのではないかと期待される内容になっております．

特集

ヒト癌研究の最前線
発癌の分子メカニズムと遺伝子診断

<序にかえて>ヒト癌研究：21世紀へ向けて【中村祐輔】

遺伝性癌　癌抑制遺伝子，癌遺伝子，DNA修復遺伝子の役割【片桐豊雅／三木義男】

大腸癌研究の進展　APC遺伝子と大腸癌【伊藤正紀／野田哲生】

乳癌研究における最近の進歩　家族性乳癌と散発性乳癌にかかわる遺伝子と遺伝子診断【飯田有俊／松本智司／江見　充】

肝炎ウイルスと肝癌　B型肝炎ウイルス，C型肝炎ウイルスによる発癌の分子メカニズム【土原一哉／下遠野邦忠】

p53とヒト癌　p53標的遺伝子を中心にして【時野隆至】

新しいFISH法と癌のゲノム異常解析　CGH，M-FISH，SKY法による新たなヒト癌研究【稲澤譲治／森　俊樹】

CURRENT TOPICS

成熟B細胞においてRAGは再発現する【疋田正喜／大森　斉】

線維型コラーゲンとインテグリンによる細胞周期の調節【小山英則】

神経管の腹側における細胞の分化　ソニックヘッジホッグシグナルの２つの作用【川上厚志】

生殖細胞形成機構の動物種間における分子・機能レベルでの類似性【中村　輝／Paul F. Lasko】

クローズアップ実験法

タンパク質の限定分解反応を捕捉する抗ペプチド抗体　抗原の調整，免疫，抗体のアフィニティー精製について【西道隆臣】

ONE POINT実験法

ゲルの写真にこだわる【中山敬一／中山啓子】

研究室の小さな生きものたち

分身の術を使う白いミミズ　ヤマトヒメミミズとの出会い【茗原眞路子】

ラボレポート

ノーベル医学生理学賞受賞者　利根川進博士の研究室（Massachusetts Institute of Technology）【中沢一俊】

海外留学アラカルト

留学先を決めるには

生命科学者になるための10か条

第５条（後半）－議論に参加しよう【柳田充弘】

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