細胞周期の研究史から最新トピックスまでこの1冊で全てわかる!細胞周期の基礎知識と共に,発生・分化・老化・癌など生命現象への関わりを丁寧に解説!初学者が理解しやすいよう,概略図や重要事項のまとめも充実!
目次
序【北川雅敏】
歴史編
1.研究の歴史
細胞周期研究のビッグバン【岸本健雄】
1.前史 −細胞周期の概念の成立
2.細胞周期エンジン
- 4つの独立した源流 −合流に向けた胎動期
- MPF,Cdc2,サイクリンの合流 −M期の制御
- 種々のサイクリン・CDKの発見 −細胞周期全体の制御
- CDK阻害因子(CKI)の発見
- サイクリン−CDK複合体の活性制御
3.細胞周期の正確さを保障するシステム
- チェックポイントの概念
- DNA保全(損傷・複製)チェックポイント
- 紡錘体チェックポイントとコヒーシン
- DNA複製のライセンシング
4.細胞周期研究の広がり
- 癌と遺伝子疾患
- 細胞分化と老化
- M期制御
- 減数分裂
2.ブレイクスルーとなった実験の歴史
細胞周期研究を支える実験技術【千葉櫻 拓】
1.分子遺伝学的手法
- 細胞周期変異株の分離
- 酵母細胞周期変異を相補する高等生物遺伝子の分離
2.細胞生物学的手法
- 細胞周期分布の解析
- 細胞周期同調法
- 細胞・組織イメージング技術
生化学的手法
- 無細胞系を用いた解析
- タンパク質相互作用・複合体解析
- リン酸化特異的抗体による解析
レビュー編
第1章 細胞周期を制御するリン酸化酵素【浦野 健】
1.リン酸化酵素の基本構造
- Aurora-Aの立体構造
- Aurora-AのATP結合部位
- Aurora-Aの活性化ループ
2.サイクリン依存性リン酸化酵素
- 名前の由来
- CDKの種類
- CDKの役割
- CDKの基質とリン酸化コンセンサス配列
- 基質の認識機構
- CDKの活性制御機構
- 臨床応用の可能性
3. Polo様キナーゼ 1
- 名前の由来
- Plkの種類
- Plk1の局在
- Plk1の役割
- Plk1の基質とリン酸化コンセンサス配列
- Plk1の構造学的特徴
- 臨床応用の可能性
4.Aurora
- 名前の由来
- Auroraの種類
- Auroraの局在
- Auroraの役割
- Auroraの基質とリン酸化コンセンサス配列
- Auroraの構造学的特徴
- 臨床応用の可能性
第2章 G1期の制御機構【加藤順也】
1.高等動物細胞のG1期を制御するRbタンパク質
2.哺乳類G1サイクリンとそのパートナーCDK
- サイクリンE
- サイクリンD
3.サイクリンDの制御と,発癌における脱制御
- サイクリンDの機能制御メカニズム
- サイクリンDの蓄積による発癌
第3章 DNA複製開始とその制御機構【石見幸男】
1.DNA複製開始機構の共通原理
2.真核細胞のDNA複製開始機構
- 開始点へのORCの結合
- MCM2-7複合体の活性化
- DNA合成
3.MCMタンパク質の機能
4.DNA再複製の阻止機構
5.DNA複製チェックポイント
第4章 M期における染色体分配メカニズム【大杉美穂,山本 雅】
1.分裂前期:分裂装置形成の準備
- 染色体凝縮と染色体腕接着の解除
- 中心体成熟と星状体形成
2.分裂前中期:分裂装置の形成と染色体整列
- 紡錘体形成
- 染色体整列
3.分裂中期:姉妹染色体間接着の完全解除
4.分裂後期:染色体の分配移動
5.分裂終期/細胞質分裂:核膜再形成と分裂溝形成,娘細胞の分離
第5章 チェックポイント−細胞周期の監視点【齋藤成昭,高橋考太】
1.順序正しい細胞周期進行を保障するチェックポイント
2.チェックポイントの生理的意義
3.損傷チェックポイントの分子機構
4.損傷・複製チェックポイントシグナルの伝達経路を切り替えるメディエーター分子
5.紡錘体チェックポイントの分子機構
6.紡錘体チェックポイントを発動する2つのトリガー:張力と結合
7.まとめと今後の展望
第6章 ユビキチンシステムによる細胞周期制御【服部隆行,北川雅敏】
1.ユビキチン依存性タンパク質分解による細胞周期制御
2.APC/C による細胞周期制御
- APC/Cの構造と基質認識
- APC/Cの活性制御
- APC/CによるM期制御因子の分解
3.SCF複合体による細胞周期制御
- SCF複合体の構造
- SCF複合体の基質認識
- SCF複合体による細胞周期制御
4.APC/CとSCF複合体の相互制御
5.そのほかのユビキチンリガーゼによる細胞周期制御
- p27のユビキチン化
- p53 のユビキチン化
- Rbファミリータンパク質のユビキチン化
第7章 細胞周期の異常と癌化および老化【冨永 薫】
1.細胞癌化
- 癌抑制遺伝子産物p53とレチノブラスト−マタンパク質(pRb)
- 4つの因子によるヒト正常線維芽細胞の癌化
2.細胞老化
- 細胞の分裂限界
- ストレス誘導性細胞老化
- 細胞老化は優性形質である
- 細胞老化を引き起こす4つの相補群
- 癌抑制機構としての細胞老化
3.今後の研究の展開
第8章 細胞周期と発生・分化【竹内 隆】
1.発生現象において細胞周期の制御はどうして重要か?
2.発生過程における細胞周期制御を時間軸で見る
3.組織の形態形成と細胞周期
4.組織の大きさの決定と細胞周期
5.増殖と分化の相互排他性
UP TO DATE
最新トピックスがわかる
見かけは当てにならない「Appearances are deceiving.」【浦野 健】
プロリンはお嫌いですか?【浦野 健】
細胞癌化の仲介役,サイクリンD1・CDK4プロテインキナーゼ【加藤順也】
どこまでなくせるサイクリン・CDK?【加藤順也】
CDK2に依存しないサイクリンEの機能【加藤順也】
まだまだ出てくるp53ユビキチンリガーゼ【加藤順也】
Claspin-Tim-TIPIN複合体によるDNA複製フォーク進行の制御【石見幸男】
クランプを介したCdt1の分解による複製の抑制【石見幸男】
ロスモンド-トムソン症候群の病因タンパク質RecQL4はDNA複製の開始に関与する【石見幸男】
DNA複製の開始とクロマチン構造の関係【石見幸男】
核膜のないM期での輸送担体Importinα/βの重要な役割【大杉美穂,山本 雅】
染色体は双方向性結合が確立されなくても中期板へと整列できる【大杉美穂,山本 雅】
長いチェックポイント停止の果てに−チェックポイントアダプテーション−【齋藤成昭,高橋考太】
紡錘体チェックポイント活性化の引き金−「結合」か「張力」か?−【齋藤成昭,高橋考太】
CDK阻害だけじゃ物足りない? 所変わって仕事も変わる!?【服部隆行,北川雅敏】
hTERTの発現はヒト細胞の癌化に必須か?【冨永 薫】
細胞老化は癌抑制機構として実際働いている【冨永 薫】
細胞老化にともなうクロマチン構造の変化【冨永 薫】
細胞老化は,癌化を促進してしまうのか?【冨永 薫】
サイクリンD1の発生と癌化における機能−本業,副業,どっちが大事?−【竹内 隆】
脳とくびれと細胞周期【竹内 隆】
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- 【本書名】バイオ研究マスターシリーズ:細胞周期集中マスター
- 【出版社名】羊土社
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第2地帯(ヨーロッパ) |
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+1250円 |
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第1地帯(アジア、グアム、ミッドウェイ等) |
+1400円 |
第2地帯(オセアニア、中近東、北米、中米) |
+2000円 |
第2地帯(ヨーロッパ) |
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第3地帯(アフリカ、南米) |
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(2021年8月23日)
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