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リピートRNAを鋳型とする,開始コドンATGを必要としない非古典的翻訳現象.リピートの異常伸長が原因となるリピート病に関連したリピートRNAで発見され,産生するリピートペプチドの毒性が報告されている.翻訳開始の詳細な機構は解明されていないが,リピートRNAの形成する高次構造の関与が示唆されている.(実験医学増刊4215より)

“情報”から“マテリアル”へ ノンコーディングRNA研究

機能分子としてのRNAを見つけ、知り、創薬に使う新時代

中川真一,廣瀬哲郎,松本有樹修/編

repeat-associated non-ATG翻訳.開始コドンATG非依存的な翻訳.ATGがないにもかかわらず異常伸長したリピートRNAからはタンパク質がつくられることが多い.翻訳の開始にはRNAの高次構造が関与していると考えられている. (実験医学増刊4112より)

いま新薬で加速する神経変性疾患研究

異常タンパク質の構造、凝集のしくみから根本治療の真の標的に迫る

小野賢二郎/編

開始コドンATGからはじまる古典的な翻訳に対して,異常伸長したリピート配列を含むRNAを鋳型としてATGに依存しない非古典的な翻訳のこと.ノンコーディングリピート病であるSCA8,DM1にて発見され,コーディングリピート病であるハンチントン病でも確認されている.3つのフレームすべてが翻訳されるが,その翻訳メカニズムは十分には解明されていない.(実験医学2020年8月号より)

RAN翻訳と相分離で紐解く リピート病

くり返し配列の“長さ”が発症の原因となる謎に挑む

永井義隆/企画

開始コドンATGからはじまる古典的な翻訳に対して,異常伸長したリピート配列を含むRNAを鋳型として開始コドンなしではじまる非古典的な翻訳のこと.ノンコーディングリピート病にて発見された.翻訳の開始メカニズムなどその機構については不明な点が多い.(実験医学2019年11月号より)

神経変性疾患にかかわるリピート関連非ATG依存性翻訳と低複雑性ドメイン実験医学2019年11月号

筋萎縮性側索硬化症(ALS)などいくつかの神経変性疾患では異常な長さの塩基リピート配列が病気に深く関与することがわかっている(例:C9orf72遺伝子のGGGGCCリピート).このようなリピート配列で開始コドンATGに依存しない非典型的な翻訳が起こることがわかり,repeat-associated non-ATG(RAN)翻訳(リピート関連非ATG依存翻訳)と名付けられた.RAN翻訳によって産生されるタンパク質は,ジペプチドリピートなどアミノ酸組成が単純な低複雑性(LC)ドメインとなる.LCドメインは凝集体となって神経毒性を有したり,液-液相分離を起こしたりして病態につながることがわかりつつある.(実験医学2019年11月号より)

再定義されるタンパク質の常識

古典的なセントラルドグマの刷新と未開拓のタンパク質の世界

田口英樹/企画

解説は発行当時の掲載内容に基づくものです

本コンテンツは,2018年まで更新されていた同名コンテンツを元に,新規追加・再編集したものです