シナプス可塑性
しなぷすかそせい
シナプス可塑性とは,神経細胞が神経活動依存性にシナプス強度・効率を調節する能力であり,長期増強,長期抑制,シナプス恒常性などいくつかの現象が知られる.シナプス可塑性は神経細胞の形態および生化学的な変化を伴う幅広い機序に支えられるが,具体的には,シナプス前膜における神経伝達物質の放出,シナプス後膜における受容体の構成,シグナル伝達経路,その下流の遺伝子発現,さらにシナプスにおけるタンパク質の合成・分解による局所プロテオームの制御などの複合的な変化の結果として理解される.タンパク質の分解はタンパク質合成と相まって局所のプロテオームの均衡(プロテオスタシス)を保ち,シナプス活動を微調整するうえで重要である.(実験医学2021年6月号より)
精神疾患とオートファジー異常実験医学2021年6月号解説は発行当時の掲載内容に基づくものです
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