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睡眠覚醒制御のタンパク質リン酸化仮説

Phosphorylation hypothesis of sleep-wake control
大出晃士,温 芷晴,上田泰己
Koji L Ode1)/Zhiqing Wen1)/Hiroki R Ueda1)2):Department of Systems Pharmacology, Graduate School of Medicine, the University of Tokyo1)/Laboratory for Synthetic Biology, RIKEN center for Biosystems Dynamics Research2)(東京大学大学院医学系研究科システムズ薬理1)/理化学研究所生命機能科学研究センター合成生物学研究チーム2)
10.18958/7031-00001-0000171-00

睡眠覚醒制御は,覚醒時に増加し睡眠時に減少する,「眠気」に相当する何らかの活性によって担われていると考えられている.この活性は,覚醒時には睡眠を誘導し,睡眠時には覚醒を抑制する(睡眠を安定化する)ものであろう.近年の解析から,シナプス可塑性制御にかかわる中心的なリン酸化酵素であるCaMKⅡは,そのリン酸化活性が覚醒によって増加すること,さらに覚醒から睡眠への遷移確率を上昇させる活性や,睡眠を安定化する活性を有する可能性が示されている.CaMKⅡをはじめとするタンパク質のリン酸化酵素は,「眠気」すなわち覚醒の履歴を記憶する分子実体であるかもしれない.

タンパク質リン酸化,CaMKⅡ,睡眠時間,睡眠覚醒遷移

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