細胞内には,ミトコンドリア・ゴルジ体・小胞体などの膜を有する細胞小器官のみならず,細胞質内ではストレス顆粒やPボディ,核内ではカハール体や核小体など,膜をもたない細胞小器官も多数存在することが知られている.近年,膜をもたない細胞小器官の多くは,天然変性領域を有するタンパク質と核酸の複合体が相転移〔ここでは,細胞質あるいは核内の液体中に溶けていたタンパク質と核酸の複合体が,この液体とは混じり合わない別の液体へと変化する現象(水溶液中に油滴が出現するようなイメージ)を相転移とよぶ〕を起こし, .....