タンパク質の立体構造はアミノ酸配列によって一義に決まる,というのが古典的なタンパク質の描像である.この,いわゆるAnfinsenのドグマを前提としてタンパク質の立体構造をX線結晶構造解析などで決定しながら生命を理解しよう,というのが構造生物学である.とは言え,アミロイド(やプリオン)のように天然構造から外れたところに安定な構造ができる場合があったり,単独では安定な立体構造を形成しえない天然変性タンパク質(IDP)の概念が浸透してきた今となってはAnfinsen的なタンパク質の見方がすべてではないということはすでに認知されつつあるだろう.
.....