RNA結合タンパク質は,天然変性領域(intrinsically disordered region:IDR)を介して濃縮され液滴(droplet)を形成して相分離(phase separation)を起こす.相分離は,膜のない細胞内小器官であるストレス顆粒などの形成に関与している.今回,RNA結合タンパク質であり,ストレス顆粒の構成要素であるTLS/FUSの相分離現象が細胞内の長期的な空間記憶を誘導するという画期的な報告がなされた(Dine E, et al:Cell Syst, 6:655-663.e5, 2018).