アクチンは,単量体のG-アクチンが重合した線維状のF-アクチンを形成し細胞質の構造を支えると同時に,細胞の運動,分裂,細胞内物質移動などのさまざまな機能を担っている.アクチンは核内には存在しないと言われていたが,G-アクチンとアクチン関連タンパク質(actin-related protein,Arp)が核内に存在し,クロマチンリモデリング複合体の構成因子としてクロマチンの構造変換に関与することが明らかになった (Kapoor P, et al:Nat Struct Mol Biol, 20:426-432, 2013).一方,核内にF-アクチンが存在し,転写制御や遺伝子リプログラミングに関与することが示唆されていたが,明確な証拠はなかった.
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