組換えウイルスベクターを用いた遺伝子治療は,外部から遺伝子を導入することによりさまざまな疾患に対する治療となりうるもので,高い奏効率が期待され相次いで実用化が進んでいる.米国での3剤の承認に合わせて,2018年にアメリカ食品医薬品局(FDA)から6件のドラフトガイダンスが発出され,2020年1月に最終化された.内訳は対象とする疾患(血友病,網膜疾患,希少疾患),投薬患者の長期フォローアップの方法,CMC(chemistry,manufacturing and control)開発,RCR(増殖性レトロウイルス)のテスト方法である.本稿ではこのFDAが公表したCMCガイダンスについてその概要を解説する.
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