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DNAシークエンス解析によるクロマチン構造の一歩先へ

早稲田大学高等研究所 角井康貢

ノムDNA上に保持されている遺伝情報の発現・継承は,細胞内におけるゲノムDNAの立体構造により制御されている.真核生物では,DNA-ヒストン複合体であるクロマチンが核内において織りなす三次元構造が,細胞内でのゲノムの動作原理の基盤となる.このようなクロマチン三次元構造を解き明かすために,クロマチン同士の相互作用を同定する生化学的な実験手法,chromosome conformation capture(3C)と次世代シークエンサーによるDNA配列解析を組合わせた“Hi-C”が発達してきた.これまでにHi-Cは,リング状のタンパク質複合体であるstructural maintenance of chromosomes(SMC)複合体の一つコヒーシンがかかわるtopologically associating domains(TADs)やDNAループ構造など,多岐にわたるクロマチン構造を明らかにしてきた.

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2020年12月号掲載

本記事の掲載号

実験医学 2020年12月号 Vol.38 No.19
イムノメタボリズムとT細胞の疲弊・老化
免疫機能不全を克服する新たなターゲット

山下政克/企画
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