17世紀後半,ロバート・フックがコルクの組織を顕微鏡観察し,これが小さなコンパートメントの集まりによって成り立っていることを見出し,小部屋(cell)という名前を与えたのが細胞(cell)という概念の始まりとされている.この頃より,生体を直接的に観察することはその機能の理解に資する情報を与える生命科学の重要な柱であり,これに用いる顕微鏡技術は,その後,免疫染色,蛍光タンパク質(Zimmer M:Chem Soc Rev, 38:2823-2832, 2009),超解像度顕微鏡技術(Vangindertael J, et al:Methods Appl Fluoresc, 6:022003, 2018)などの開発をもって,小部屋の中にあるさまざまな生体分子の挙動の観察を可能とする技術として大きく発展を遂げてきた.
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DOI:10.18958/7485-00004-0001417-00