Glioblastoma(GBM,膠芽腫)は難治性悪性脳腫瘍で,免疫抑制的な腫瘍微小環境(TME)を形成するため,現行の免疫療法が有効性を示していない.近年のシングルセルRNAシークエンシング(scRNA-seq)解析の進歩によって,免疫抑制TME構築に重要な免疫細胞が同定されてきた(Friebel E, et al:Cell, 181:1626-1642.e20,2020).scRNA-seqは強力な解析ツールであるが,解析にかかる費用が高額であるため,経時的に多数のサンプリングを行うことには制限があった.また,どの細胞がどの系統由来であるかを調べる場合には,発現パターンなどから推察する技術は存在していたが,明確に証明する技術に欠けていた.
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DOI:10.18958/7529-00004-0001684-00