UJA Presents 留学のすゝめ〜世界中の先輩が,あなたにとっての「ベストな留学」導きます。
  • 著/佐々木敦朗(シンシナティ大学癌研究所)
  • 第3回編集リーダー/川上聡経(ハーバード大学)
  • “2BP”パート編集/小藤香織(シンシナティ大学),岩渕久美子(ハーバード大学)
  • 編集協力/ UJA 編集部
What is UJA?

UJA (United Japanese Researchers Around the World) は,世界に拡がる日本人研究者の一人ひとりがつながり,互いを高め合うためのプラットフォームです.3年,30年,300年先に日本のサイエンスが世界をリードする,より明るい未来へ向けて取り組んでいます.発足の経緯や世界各地のUJA参加コミュニティ情報は,to wwwUJAウェブサイトよりご参照いただけます.本連載とタイアップした留学体験記の公開,コンテンツ拡充のためのto wwwアンケート活動も行っております.

第3回留学の壁と向き合い,決断をする

留学は,人生のなかでも最も大きな決断の1つです.語学や生活への不安,留学後のキャリアの不透明感,パートナーや家族の状況.どのタイミングで,どの研究室(国・都市)へ,どのように(単身・家族)留学するのか.オプションの多さと未来への影響の大きさゆえに,決断は時として難しいものになります.しかし決断を先送りにしたまま時が過ぎると,機会を逃したり,留学適齢期を過ぎたり,あなたの望む道から外れてしまうかもしれません.留学を経験した先輩方は,どのように問題に対峙し,海を渡って行かれたのでしょうか?

こんにちは,全世界日本人研究者ネットワーク(UJA)会長を務めております,シンシナティ大学の佐々木敦朗です.全6回にわたる本連載では,留学に興味のある大学院生や研究者に向けて,留学を成功させるための“先輩からの活きた情報”をシェアしていきます.第1回では,留学は各個人により大きく異なるものになることを解説すると同時に,世界のサイエンスを牽引する私たちの先輩に,UJAのウェブサイトにて留学体験記そして“世界をめざす理由”を力強く語っていただきました.体験記はリレー形式で随時更新されます.ぜひ,参考にされてください.そして第2回では,研究留学経験者からの大規模アンケートの結果を解説し,“留学のメリットとデメリット”そして目標設定のツボについてディスカッションしました.

第3回となる今回は,それらをふまえながら,留学を決断する際の「壁」と考えられることを取り上げます.以下の3つに分けて一緒に考えていきたいと思います.

  1. 準備や努力,情報収集で解決できる問題
  2. 解決策を模索すべき問題
  3. 留学の決断で大切なこと

1.準備や努力,情報収集で解決できる問題

UJAでは,留学に興味をもちつつも,まだ留学に踏み出せていない方々が何を「留学の障害」と感じているのかについてアンケート調査を行いました(回答数69,複数回答可).その結果,多くの方が語学力の不足を筆頭に,経済的な不安,家族の問題,情報不足,そして生活への不安を留学への壁と考えていることがわかりました(図1).これらは,生きていくことに直結している重要なファクターですので,解決しないまま留学を決断するのは大きなリスクを伴います.ここでは,その解決策を探っていきます.

図1 留学未経験者が考える留学の障害

ⅰ)語学の問題

もしあなたが今,英語でのコミュニケーション力について不安をもたれている場合,おそらく留学先のラボ内や同じフロアにおいて,やはり英会話で苦労されると思います.これはあなたに限ったことでなく,留学を経験するほとんどの方が直面しています.でも,安心してください.第2回でご紹介したように,留学された方の70%以上が実践的英語力を獲得されています.パラドックス的ではありますが,語学の問題は,留学することで解決します.とは言え,英会話の力は高ければ,留学だけでなく今後の国際化社会においても大変有利になりますので,今のうちから意識を高めて取り組んでいくことが大事です.

日本にいながらでも,今や英語を上達させるツールや機会はあり過ぎるほどあります.しかし英語を修練できる環境にありながら,多くの方が漫然と過ごしているように思います.かくいう私も,英語へのコンプレックスがあるのに,留学が決まるまで放ったらかしにしていたので人一倍苦労しました.タイムマシンがあれば,大学生の頃に戻り「目を覚ませ!」と喝を入れ懇々と諭したいところです.この自戒は,英語で苦戦したすべての友人に共通しています.しかし英語への苦手意識から留学を躊躇する必要はありません.荒療治に聞こえますが,留学することが英語コンプレックスへの特効薬です.

留学を意識したときから,英会話への取り組みは真剣に身の入ったものになります.お金もかからず,すぐに,どこでもできるものはお薦めです.例えば,iPodなどに英会話教材や英語のPodcastなどを入れて,ひたすら聞くだけでも効果があります.そして,聞いた言葉を口にする(リピーティング,シャドーイング)と,さらに効果があると思います.私は留学を思い立ってから毎日行い,留学してからも6年間,ラボへの行き帰りに,英語の教材やニュースを聞いて,ずっとモゴモゴ言っておりました.

また,留学前・留学中を問わず,強制的に英語へコミットする状況をつくるのも1つの手です.英会話のクラスやチューターに申し込み身銭を切ることで,積極的に学んでいけるでしょう.私は英語を書くことにも危機感を覚えましたが,なかなか日々の勉強に結びつけられませんでした.そこで,アメリカの公文教室に申し込みました.小さな子どもたちに交じり,アメリカの小学校3年生から高校3年生の教材まで進め卒業させていただきました.日本での国語にあたる英語を,現地の子どもたちとともに学んだ貴重な勉強でした.他には発音矯正クラスにも申し込みました.

留学してから何より大事なことは,ラボ生活の中で積極的にコミュニケーションをとることです.私のラボの日本人メンバーにも,建物の中では日本語禁止,すべて英語での会話をお願いしています.留学当初は,身振り手振りと拙い単語で話していたメンバーが,1年も経たないうちに見違えるように英語で発表し,ディスカッションできるようになります.改めて,日常から意識して英語を使う効果の大きさに驚きます.下手なりに英語でのコミュニケーションを頑張っている様子は,周囲の人々にも好印象に伝わるものです.ぜひ,心がけてみてください.

コラム Y先輩の苦労話

余談ですが,私は大学院生のとき,米国留学から一時帰国されていたダンディなY先輩に「佐々木君,英語を習得するには若いうちに留学した方がいいよ.僕は35歳を過ぎて留学したけれどなかなかに苦労してるよ.ハッハッハ」とアドバイスを受けたことがあります.留学を見越して,普段から英語をしっかり勉強されていたY先輩でも苦労されるのかと,わらにもすがる思いで,30歳になる1週間前に渡米し,20代での留学を果たしました.今思えば,Y先輩は英語への意識が低い私には現地で荒療治した方がいいだろうと,背中を押してくださったのだと思います.後日談では,Y先輩はバーで女性を(英語で)くどくのに苦労していたのだと聞いて,あまりのレベルの違いに驚きました.年齢ではなく,日頃からの英語への備えが大事なのです.

ⅱ)経済的な不安,情報不足,生活への不安

語学に続いて,海外での暮らしへの不安も留学の壁になっています.日本での生活であれば,どこに住むことになっても,引っ越しから生活まである程度想像できます.しかし留学先では,家賃住居費,食費,そして養育費は日本とかなり異なります.自分の得る給料の額で果たして生活していけるのか?その国の金銭感覚がないと想像するのは難しいものです.同じアメリカでも,住居費は場所により天地の差があります.月10万円で豪華マンション,はたまた一軒家に住める場所もあれば,月20万円の1ベッドルームアパートが相場の場所もあります.かと言って,(まして留学前から!)留学先と給料の交渉をするのも,ハードルが高いものです.また,アパート,電気・ガス・水道,電話などの契約を,英語でどうやってするものか,考えるとアドレナリンが沸々とでてきます.

この問題への特効薬は,できるだけ多くの情報を入手することです.特に,留学先として想定している地域で暮らす先輩方の家計とやりくりを知ることが大切です.自分の想定している給料ですでに生活されている方の情報があれば,不安は安心に変わります.

一般的には,住居や車確保などのセットアップは留学してから行います.この場合,ホテル代にレンタカー代と,お金も時間もかなり必要になります.例えば,利便性も高く,安全で,値段も良心的なアパートは,人気が高く,なかなか空き物件は出ません.契約してもすぐに入居はできないので,その間はホテル暮らしになります.3週間もホテルに住むと相当の出費になり,大切な貯金を大幅に切り崩すことになります.

同じことは車の購入にも言えます.新車を購入できる財力がない場合は,中古車の購入になります.それでも,中古車の価格はアメリカではびっくりする程高く,一大投資です.日本のような徹底した車検制度がないので,レモンカー(欠陥車)を掴んでしまうこともあります.おそらくいくつもの中古車ディーラーを回ることになるでしょう.私は,地球を6周まわった15年落ちのセダンを3,900ドル(当時のレートで約40万円)で購入しました.それでも予算ぎりぎり,事故歴はなく,ディーラーは親切,3カ月の保証があり,購入に踏み切りました.ところが,オイル漏れにガソリン漏れ,電気系統そしてエンジントラブルが購入して2カ月の間に次々に起きました.正真正銘のレモンカーでした.ディーラーへの電話,修理工場とのやりとりと行き来で,ずいぶん時間を使いました.こうした車のトラブルは,かなりのストレスになります.家族の安全を優先し,結局,ローンを組んで新車を購入しました.ローンを組むのは在米歴が浅いと大変で,また非常に高利なものとなりました.事前情報不足から引き起こされた問題でした.

事前に十分に情報を入手することで,住む場所,家財や車など生活必需品を留学前から確保することは可能です.留学先の地域には,多くの場合,日本人コミュニティーがあります.地域によっては,生活情報が詳細にまとめられたバイブル的ウェブページもあります.to wwwUJAウェブサイトにおいても,各地のコミュニティーの連絡先を掲載してあります.日本ではこうした情報は聞きづらい感覚がありますが,留学されている先輩たちは,こうした情報の大切さをよく知っておられます.そして,これから留学される方を応援しています.ぜひ,コンタクトをとってみてください.そして留学する2〜3カ月前に留学先へ数日間訪問し,住居や,子どもの保育園などを決めることを私はお薦めします.その際に,近く帰国される方などとお会いし,車や家財についてお話しする機会をつくれるとなお素晴らしいです.

このように経済・生活への不安は,実態や対処法を知ることで解消し,むしろ留学へのロケットスタートへと導くことができます.

2.解決策を模索すべき問題:2BP(two body problem)

英語や生活の不安は誰もが抱くものですが,いざ留学すると,何とかなってしまう問題でもあります.言わば,はじめてプールに飛び込むときの心境に似ています.その処方箋は,飛び込みの怖さを減らし,鼻に水が入ったり,お腹が真っ赤にならないようにするためのものとも言えます.1人で泳ぐのが前提での処方箋です.

しかし,もしあなたに伴侶や子どもがいる場合,一緒に飛び込めるのか,そして一緒に泳いでいけるかを考える必要があります.図1に示したアンケートでは,家族問題は留学の障壁の第3位でした.また現在留学中の方へのアンケートでは,326名中152名(46.6%)が既婚で,うち単身赴任は20名(13.2%),現地で共働きされている方は17名(11.2%)でした.半数を超える89名(58.6%)の方にお子さんがいらっしゃいます(図2).いろいろなケースがありますが,よくみられるのは次の4つのケースです.

図2 留学時の家族状況

ⅰ)奥さんが専業主婦・旦那さんが専業主夫

最も選択に困らないケースです.きっと,あなたに付いて来てくださるでしょう.日頃から留学への想いを共有していれば,手をとって喜んでくれることもあります.日本では,伴侶の方は家庭だけでなく地域活動や習い事など,いろいろなご活動をされているかもしれません.しかしあなたの留学先ではゼロからのスタートになります.言葉の通じにくい状況で新たなコミュニティーに入っていくには,ストレスがかかります.はじめは日本のように電車やバスで自由に移動もできないものです.同じ境遇の友達ができるように,最初は特に配慮してあげるのが大事だと思います.

ⅱ)日本で共働き

あなたの留学に付き添うか,日本に残るか.もし伴侶の方も研究者であるならば,ともに留学することも選択肢になりえます.休職または辞職して,あなたに付いて来てくださるケースもあるでしょう.伴侶の方が留学先で働ける場合,収入面では非常に強く,また伴侶の方のキャリアにもなります.一方であなたの留学先で専業主婦・主夫となる場合,これまでの社会生活からの切り替えに対応するのが大切になります.また,留学を終えて帰国される時の再就職も考慮しておきたい点です.

ⅲ)単身赴任

アンケートでは,13.2%の方が,ご家族と離れての留学を選ばれていることがわかりました.おそらく伴侶の方のお仕事や,子どもの学校などのご事情があるのだと思います.単身での留学は,生活ではご自身のことのみ確保すればよく,経済的な問題も出にくいと思います.一方,家族と離れて暮らすことは,日本での単身赴任よりも心理的負担は大きいかもしれません.留学期間が短い場合は,ご家族が留学先へ来られたりして乗り切ることも十分できます.

ⅳ)出産・子連れ留学

出産と育児は,特に女性研究者の留学では大きな壁になりえます.現地での出産や保育園の情報,伴侶の方とボスの理解とサポートが非常に大事です.これまで,あまりみられないケースですが,これから女性研究者の方が世界でより活躍していくためにも解決すべき,大切な問題です.多くの事例を集めていくことが大事だと思います.こうした情報は,サポートするシステムを構築するうえでも大事だと思います.

すでに子どもがいる場合は,年齢により難しい選択になることもあります.小学低学年までは,お父さん・お母さんの都合に合わせることができるでしょう.語学の習得も,この年齢は圧倒的に有利です.ただし,帰国し日本語環境になると,英語を忘れてしまう年でもあります.小学校の高学年,中学生,高校生になると,留学へのハードルが高くなる一方,身につけた英語は一生残るでしょう.英語力を武器に,受験のために帰国されるケースもよくあります.

いずれにしても,子どもがいると休日にいろいろな場所へ遊びに出かけたりする機会が増えます.また子どもを介して友人(ママ友・パパ友)が増えていきます.苦労することも多々ありますが,家族で充実した留学生活を送るケースは多く,家族の絆は深まります.

こうした伴侶の方々の直面する問題(two body problem,略して2BP)はなかなか取り上げられておらず,皆さまが各自で対応してきました.結婚をしていなくても,パートナー(彼氏・彼女)がいるとすればやはり2BPが起きます.2BPは,多くの方に当てはまる身近で,しっかり対処していくべき問題です.

伴侶の方と子どもたち,パートナーが,留学中も安心して充実して暮らすためには,どのようなことに対処していくのが大事なのでしょうか.UJAでは今後,さまざまな2BPを経験された方の体験談を収集し,公開していく予定です.あなたと似た境遇で留学をされた先輩方からのメッセージは,必ずや貴重なヒントとなるでしょう.

3.決断で大切なこと:留学意思決定の科学

われわれは,生きていくなかで大きな決断を経験してきました.大学選び,そして大学院進学,就職.これらのイベントは,あなたの卒業にあわせてやってきて,あなたは限られた時間のなかで,決断をされたと思います.留学の決断も人生に大きな影響を及ぼしますが,選択肢の多さは最大級かもしれません.いま留学するべきか,もう少し待ってから留学するべきか.若ければ縛りは少ない一方,研究経験の浅さが原因で苦労することもあるかもしれません.熟練時期においては,家族問題や仕事上の責任も大きく制約が多いかもしれません.さらには,どのようなテーマで研究するか,どの場所に行くか,どのようにアプライするか.留学する,しないも含めて選択肢は多岐にわたります.

この「選択肢の多さ」は,留学の判断を難しくしている要因の1つです.そして,留学先でのリスク・不確実性の存在も,決断を鈍らせるものでしょう.ある日,突然決断することもありますが,こうした天の助けに頼らず,決断するために大事なことは3つあります.

ⅰ)自分が望む自己成長を明確にする

5年後,10年後にどんな自分へと成長したいのか,少し時間(10分間でもいいのです)をとって考えることが大事です.これにより,あなたにとり留学は必要なものなのか,国内でも達成できるものなのか,考えることができます.UJAウェブサイトの体験談を参考にしつつ,同じく国内で研鑽された先輩方のお話も参考とすることで,より明確にイメージできるようになると思います.

ⅱ)バックアッププランをもつ

もし留学で狙い通りにいかなかったら,どうするか?目標が達成できなかった場合を想定しておくと,逆に怖さがなくなります.私は留学がうまくいかなかったら「釜揚げうどん」のお店をすると決めて留学をしました.恩師の吉村昭彦先生(本連載第1回参照)から,「思い切りやってこい.骨は拾ってやる」と激励(!?)のお言葉をいただいたことも,大きな助けになりました.

ⅲ)自分の決断に責任をもつ

狙ったようにいかないこと,想定外のことも起こるでしょう.どんな結果でも,自分で責任をもつ.このマインドセットは,決断に重要です.そして,あなたをポジティブにします.留学の覚悟を決めた私の友人の多くは,同時期に人生の伴侶を決める大きな決断もされています.1つ決断することで,めざす航路が見え,人生の覚悟もできるのでしょう.

学問の道を首唱して天下の人心を導き、推してこれを高尚の域に進ましむるには、特に今の時を以て好機会とし、この機会に逢う者は即ち今の学者なれば、学者世のために勉強せざるべからず。

─福澤諭吉「学問のすゝめ」九編より

現在,大学や国をあげて,国際化が推進されております.先輩たちのおかげで,日本の博士研究者の評価は世界の中でも大変高く,多くの場合,留学先から給料のサポートをいただけます.生涯を保証された会社を辞職して,留学を決断した友人もいます.極論すれば,覚悟さえあれば世界のどのような場所でも,留学して生活することは可能です.先輩たちが伝えてくれたバトンに感謝して,さらなる成長の機会としていきましょう.

あなたのめざす道を考えたとき,「問題」が見えます.その問題と向き合うことで,意識と行動は必然的に変わります.そして,さまざまなケースを知り,創造力を働かせることで,壁は消えて,思わぬ道が見えてきます.決められた道などありません.あなたが決めることで道は拓けるのです.So Let’s Find Your Way!

プロフィール

佐々木敦朗(Atsuo T. Sasaki)

米国オハイオ州立シンシナティ大学・助教授.’95,東京理科大学卒業,’97年,広島大学大学院修士課程修了,2001年,久留米大学にて増殖因子シグナルの負の制御機構の研究で博士号〔指導教官・吉村昭彦教授〕.’02年,日本学術振興会(JSPS)特別研究員としてカリフォルニア大学サンディエゴ校のRichard Firtel博士の研究室に留学(Ras/PI3Kの動態解析).’05年,大陸横断,JSPS海外特別研究員としてハーバード大学のLewis Cantley博士の研究室へ異動(Ras/PI3Kの制御とがん代謝解析).’12年より現職.GTPエネルギーのがんと疾患における制御について新分野開拓中.気付けば,息子18歳,娘は15歳.家族4人のドタバタ留学は続く.to www研究室ウェブサイト

川上聡経(Akinori Kawakami)

米国ハーバード医学大学院/マサチューセッツ総合病院・講師.2001年,札幌医科大学医学部卒業,’06年,同大学院医学研究科博士課程修了.同年よりハーバード大学のDavid Fisher先生の研究室へ留学中.’14年より現職.メラノサイトとメラノーマにおける遺伝子発現制御機構について研究中.夢は,臨床に応用することができ,且つ,面白いサイエンスをすること.

小藤香織(Kaori Kofuji)

米国オハイオ州立シンシナティ大学・リサーチアシスタント.2003年,北海道大学法学部卒業,’05年,同大学院法学研究科修士課程修了.秋田大学での勤務を経て,’14年より夫の研究留学に伴いオハイオ州シンシナティで暮らす.

岩渕久美子(Kumiko A. Iwabuchi)

米国ハーバード医学大学院/ボストン小児病院・リサーチフェロー,日本学術振興会海外特別研究員.京都大学大学院医学研究科博士課程修了.エディンバラ大学SCRM勤務を経て現職.

UJA編集部(五十音順)

今井祐記(愛媛大学)/岩渕久美子(ハーバード大学)/川上聡経(ハーバード大学)/黒田垂歩(バイエル薬品株式会社)/小藤香織(シンシナティ大学)/坂本直也(ミシガン大学)/佐々木敦朗(シンシナティ大学)/高濱正吉〔アメリカ国立眼研究所/アメリカ国立衛生研究所(NIH)〕/高濱真実(UJA)/中川 草(東海大学)/西田敬二(神戸大学)/本間耕平(日本医科大学)/谷内江 望(東京大学)

本連載,待望の単行本化!助成金,生活セットアップ,留学後の進路…書ききれなかったノウハウを大幅追加してパワーアップ

研究留学のすゝめ!

研究留学のすゝめ!
渡航前の準備から留学後のキャリアまで

  • UJA(海外日本人研究者ネットワーク)/編 カガクシャ・ネット/編集協力
  • 2016年12月発行
  • 定価3,500円+税
  • A5判
  • ISBN978-4-7581-2074-6
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