タンパク質サンプルを一次元目に等電点電気泳動を行い,その後二次元目にSDS-PAGEを行うことにより,タンパク質を等電点と分子量という2つのパラメータにて分離する方法である.タンパク質の分離能に優れるため,多くのタンパク質を網羅的に分離・検出する用途(プロテオーム解析)に用いられる.また,二次元電気泳動にてタンパク質を分離した後,ウエスタンブロッティングや目的タンパク質の回収,MS(質量分析)やエドマン分解による同定などもよく行われる.
サンプルの前処理関係や,一次元目の等電点電気泳動がポイントであり,この泳動がうまくいけば最終的な結果もきれいになることが多いです.現在では,一次元目の泳動にはストリップ状の固定化pHゲル(イモビライン)の使用が標準となっています.このストリップゲルを用いると再現性が良いので,ぜひ活用しましょう.
また,どうしても多少のテーリングは起こってしまうので,実験の目的にあわせてどこまで改善するか考える必要があります.なお,一次元目に一般的に用いられるストリップゲルは,アプライできるサンプルの量が比較的少ないので,通常は解析用かマイクロシークエンス用となります.分取目的にはアガロースゲルを用いたシステムが好適です.
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