めざせ実験の達人-トラブル回避のコツと最新キットで極める!
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めざせ電気泳動の達人
はじめに

2D-PAGEの概要とポイント

実験手法の概要

タンパク質サンプルを一次元目に等電点電気泳動を行い,その後二次元目にSDS-PAGEを行うことにより,タンパク質を等電点と分子量という2つのパラメータにて分離する方法である.タンパク質の分離能に優れるため,多くのタンパク質を網羅的に分離・検出する用途(プロテオーム解析)に用いられる.また,二次元電気泳動にてタンパク質を分離した後,ウエスタンブロッティングや目的タンパク質の回収,MS(質量分析)やエドマン分解による同定などもよく行われる.

実験手法の流れ

  1. サンプル抽出・前処理
  2. 一次元目の泳動(等電点電気泳動/IEF:isoelectric focusing)
  3. 二次元目の泳動(SDS-PAGE)のための前処理
  4. 二次元目の泳動(SDS-PAGE)
  5. タンパク質染色や転写,タンパク質同定のためのゲル片の回収など(各種泳動後の解析,処理)

ココがポイント

サンプルの前処理関係や,一次元目の等電点電気泳動がポイントであり,この泳動がうまくいけば最終的な結果もきれいになることが多いです.現在では,一次元目の泳動にはストリップ状の固定化pHゲル(イモビライン)の使用が標準となっています.このストリップゲルを用いると再現性が良いので,ぜひ活用しましょう.

また,どうしても多少のテーリングは起こってしまうので,実験の目的にあわせてどこまで改善するか考える必要があります.なお,一次元目に一般的に用いられるストリップゲルは,アプライできるサンプルの量が比較的少ないので,通常は解析用かマイクロシークエンス用となります.分取目的にはアガロースゲルを用いたシステムが好適です.

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プロフィール

森山先生
森山 達哉(Tatsuya Moriyama)
京都大学農学部食品工学科卒.同大学院農学研究科修士課程,博士課程ののち,京都大学食糧科学研究所助手 等を経て2005年に近畿大学農学部講師,2008年准教授.その間,1996年米国スタンフォード大学招聘研究員(1年間).毎日多くの元気な学生たちと一緒に,食品成分の生理機能性(特に脂質代謝への影響)と安全性(特にアレルゲン性)に関する研究を行っている.基礎研究だけでなく,社会の役に立つ「アウトプット」を意識した研究を進めています.
<著作>
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