タンパク質サンプルをSDS-PAGEなどの電気泳動にて分離した後,分離されたタンパク質を検出する.通常,全タンパク質を検出することが多いが,リン酸化タンパク質や糖タンパク質,Hisタグ融合タンパク質などの特徴的なタンパク質のみを特異的に検出することも可能である.電気泳動によって分離したゲルの状態で染色することが一般的であるが,膜に転写後に膜上で検出することもある.
電気泳動後のゲル中のタンパク質染色のトラブルは通常少ないですが,銀染色や蛍光染色などの高感度な検出の際には注意深く行わないと,指紋や皮膚ケラチン,ホコリ,チリなどの染色像が見えてしまって汚くなることが多いようです.このような場合は,手袋着用や,ゲル溶液・サンプル溶液のろ過など注意を払うことによって改善されます.また,蛍光検出では使用する検出機器との適合性に注意が必要です.
リン酸化タンパク質やHISタグ融合タンパク質などの特異的染色法は概して感度がそれほど高くないので,濃縮されたサンプルや純度の高いサンプルでは有効に使用できますが,クルードなサンプルや純度の低いサンプルの場合は使用しにくい場合があることにも気をつけましょう.
なお転写膜上でのタンパク質の染色は,ウエスタンブロッティングでの転写ムラの確認などで有益な情報をもたらすことが多いので,重要な実験の際には行った方が良いと思われます.
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