レジデントノート増刊 Vol.12 No.14

診断に直結する 検査の選び方、活かし方

無意味な検査をなくし,的確に患者の状態を見抜く!

  • 野口善令/編
  • 2010年12月20日発行
  • B5判
  • 254ページ
  • ISBN 978-4-7581-0509-5
  • 4,290(本体3,900円+税)
  • 在庫:なし
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臨床を知り尽くした執筆陣が研修医の疑問に答えます!日常診療の流れに沿って、患者の病態の見極め方、オーダー時の注意点、結果の適切な解釈・判断のしかたを解説!現場で“本当に役立つ”活用法が身に付きます。

目次

第1章 検査の基本的考え方

1.診断のための検査の考え方を教えてください【野口善令】

  • 検査は何のために行うか
  • 検査の目的
  • 診断のために行う検査のフレーム(思考の枠組み)
  • 検査の性能(診断特性)
  • 予期しない検査結果

2.治療効果の指標としての検査の考え方を教えてください【杤谷健太郎/山本舜悟】

  • はじめに 治療を始めた後にどの検査をみていったらいいのか?
  • さいごに

3.異常値が出たら本当に異常なのでしょうか【野口善令】

  • 検査異常値の定義
  • 仮説を修正した方がよい重大な検査結果

4.入院時一般検査をどう選ぶ?【名郷直樹】

  • はじめに
  • 入院時一般検査の目的
  • 感染症スクリーニング
  • 血液検査
  • おわりに

5.健診(早期診断)の考え方を教えてください【南郷栄秀】

  • 健診の考え方
  • 健診が抱える問題
  • 健診について思うこと
  • おわりに Column:率と割合

第2章 内科医に必要な検査の基本的読み方

1.血液ガス,酸塩基平衡の読み方を教えてください【前川道隆/山中克郎】

  • はじめに
  • 炭酸ガス貯留を探す
  • A-aDO2で病態を判定する
  • 代謝性アシドーシスを探す
Advanced Lecture:
  • 代償の原則を知ろう
  • 補正HCO3-と⊿AGで複雑な病態を解釈する Column:BE(base excess)とは 静脈ガス

2.低ナトリウム・高ナトリウム血症の診断はどうする?【黒田浩一/山中克郎】

  • はじめに
  • 低ナトリウム血症(Na濃度が135 mEq/L以下)の診断
  • 高ナトリウム血症(Na濃度が146 mEq/L以上)の診断
  • さいごに
Advanced Lecture:有効循環血漿量

3.カリウム濃度異常の診断・治療はどうする?【小出滋久/山中克郎】

  • はじめに
  • 病態を考える
  • 臨床現場ではどのように診断していくか?
  • 治療はどのようにしていくか?
Advanced Lecture:
  • TTKGとはなんですか?
  • K補正時は心電図をモニターし,頻回にK濃度を測定する.
  • 嘔吐は腎外性のK喪失か?
  • 低カリウム血症ではMg欠乏に注意
  • 漢方薬の服用歴に注意
  • さいごに

4.脱水をどう診断する?【徳田安春】

  • はじめに
  • 脱水と循環容量低下
Advanced Lecture:身体所見による脱水・循環容量減少の診断操作特性
  • おわりに

5.スパイロメトリーの読み方を教えてください呼吸器専門医が非専門医に知ってほしいこと【杉本幸弘】

  • はじめに
  • スパイロメトリーで何がわかるのか?
  • フローボリューム曲線からわかること
  • DLcoとは何か?
Advanced Lecture:肺年齢の活用
  • おわりに

6.心エコーの読み方を教えてください非専門医に知ってほしいこと【小形幸代/市田 勝/谷口信行】

  • はじめに
  • 心エコーでわかること,わからないこと
  • どんな診断に使えるのか
  • どのような評価方法があるか Advanced Lecture
  • おわりに

7.肝機能検査の読み方を教えてください【横江正道】

  • はじめに
  • 肝機能検査で何がわかるのか? 何がわからないのか?
  • AST・ALTはどんな診断に使えるのか?
  • ALPやγGTPはどんな指標として使えるのか?
  • 疾患別基本パターンの読み方を知ろう
Advanced Lecture:薬剤性肝障害はどう診断するか?
  • おわりに

8.副腎機能検査の読み方を教えてください【脇坂達郎】

  • はじめに
  • どんなときに副腎不全を疑うべきか?
  • どの検査をオーダすべきか?
Advanced Lecture:
  • 単独ACTH欠損症
  • 下垂体卒中
  • おわりに

9.甲状腺機能検査の読み方を教えてください世界で一番簡単な甲状腺機能検査の読み方【田中和豊】

  • はじめに
  • 生理学は“簡単に”考えよう
  • 甲状腺機能検査の適応
  • 甲状腺機能検査のオーダー方法
  • 甲状腺機能検査結果の読み方
  • 甲状腺機能検査結果異常の精査(追加すべき検査) Advanced Lecture
  • おわりに

10.自己抗体はどう使う?【中西研輔/金城光代】

  • はじめに
  • どんな患者にオーダーすべきか?
  • スクリーニング検査として何を使うのか?
  • 確定診断,除外診断にはどう使うのか? Advanced Lecture
  • さいごに

11.腫瘍マーカーはどう使う?【堀之内秀仁】

  • はじめに
  • 腫瘍マーカーとは
  • 腫瘍マーカーの条件
  • 腫瘍マーカーの使用方法
Advanced Lecture:
  • 腫瘍マーカーに関する最近の話題
  • バイオマーカー
  • おわりに

12.グラム染色はどう使う?【平島 修/藤本卓司】

  • はじめに
  • グラム染色で原因菌を推定し,抗菌薬の選択に反映させる
  • 開始翌日のグラム染色像を治療の効果判定に用いる
Advanced Lecture:
  • 喀 痰
  • 尿
  • おわりに

13.性感染症について教えてください【続木康伸/星 哲哉】

  • はじめに
  • 性感染症のリスクとは?
  • 部位別アプローチから感染を考える
  • 性感染症の検査を知る
  • 診断,治療で終了ではない Advanced Lecture

14.RASTはどう使う?たくさん測りすぎていませんか?【田巻弘道/岡田正人】

  • はじめに
  • アレルギー疾患を疑ったら
  • RAST検査の使い方
Advanced Lecture:食物依存運動誘発性アナフィラキシー(FDEIA)とは?
  • おわりに

15.骨量測定検査の読み方を教えてください【山本万希子】

  • はじめに
  • 検査の適応
  • 骨量測定方法
  • DXAの読み方
  • 胸腰椎X線撮影
  • 原発性骨粗鬆症の診断基準
  • 薬物療法開始基準
  • 治療の実際 Advanced Lecture
  • おわりに

16.薬物治療モニタリング(TDM)について【大曲貴夫/望月敬浩】

  • はじめに
  • TDMの基本を知ろう
  • TDMの実際を知ろう
  • おわりに

第3章 検査のここが知りたい

1.代謝性アシドーシスを見たら何を考える?【加藤之紀/林 寛之】

  • はじめに
  • 血液ガスを解釈してみよう
  • 血液ガスの結果から鑑別してみよう
Advanced Lecture:
  • AGが減少?
  • 乳酸アシドーシスについて
  • おわりに

2.症状からACSが疑われるのに心電図,トロポニンが正常なときどうするか?【川村正太郎/林 寛之】

  • はじめに
  • その症状はACS?
  • 心電図は本当に正常?
  • 血液検査はどう使う?
  • 両方とも異常がなければどう判断する?
Advanced Lecture:
  • 胸痛があるときの心電図が正常ならACSではない?
  • トロポニンやCK-MBより感度の高いマーカーは?
  • おわりに

3.肺血栓塞栓症の診断について教えてください【林 寛之】

  • はじめに
  • 造影ヘリカルCTの診断特性は?
  • D-dimerの診断特性は?
  • 偽陽性:D-dimerが肺血栓塞栓症以外でも上昇する原因について
  • 実際の診断戦略
Advanced Lecture:
  • 知っておきたい低リスク群のPERCルール
  • 「非典型例が典型例」という肺血栓塞栓症を知り尽くせ
  • 下肢エコーを使おう
  • おわりに

4.培養で陽性となった菌が起因菌であるとどう判断するか?【大野博司】

  • はじめに
  • 検体採取について
  • 血液培養の取り扱い
  • 検体の培養結果の適切な解釈には,感染臓器とその起因微生物の想定が最も大切
Advanced Lecture:
  • 無意味なため培養を行ってはいけない検体
  • 喀痰培養結果の解釈
  • おわりに

5.無菌性髄膜炎をみたらどんな疾患を考えるか?【大路 剛】

  • はじめに
  • 判断するうえで何を考慮すべきか
  • 判断の分かれ目となるポイントでの指標
  • 特に注意すべきこと
  • おわりに

6.尿円柱の腎実質性疾患に対する診断特性は?【福間真悟】

  • はじめに
  • 尿円柱はどこでどのように形成されるか?
  • 尿円柱の診断特性はどこまでわかっているか?
  • 各種尿円柱の意義は?
  • 腎実質性疾患の診断の流れ
  • おわりに

7.エコーまたはCTの虫垂炎に対する診断特性は?プライマリ・ケアセッティングでは,15分コースまたは60分コース?【竹島太郎】

  • はじめに
  • 腹痛を訴える患者の鑑別診断は?
  • 虫垂炎の有病割合(事前確率)は?
  • 病歴,身体所見の感度・特異度は?
  • 検査は何を選択するか?
  • 虫垂炎の診断または除外のためにエコーかCTのどちらを選択するか?
Advanced Lecture:画像検査を用いない予測ツール
  • おわりに

8.C. difficile関連腸炎(CDAD)の診断について教えてください【本村和久】

  • はじめに
  • C. difficile関連腸炎の診断で重要なのはどんなこと?
  • C. difficile関連腸炎って,特殊な検査なしで臨床診断できるの?
  • 検査~C. difficile関連腸炎の検査戦略は?
Advanced Lecture:トキシンA,Bだけがトキシンではない~binary toxin遺伝子について
  • おわりに

9.CRPが高値のときはどんな疾患を考えるのか?【横江正道】

  • はじめに
  • 高CRP血症をどう紐解くか?
  • CRPは感染症診療で有用なのか?
  • CRPで細菌感染症とウイルス感染症を区別できるか?
  • CRPは全身状態の悪さの指標になるのか?
Advanced Lecture:CRPと血管病変
  • おわりに

10.San Francisco syncope ruleについて教えてください失神のdisposition【東 秀律/林 寛之】

  • はじめに
  • 失神の鑑別疾患
  • ERで行う検査
  • San Francisco syncope rule(以下SFSR)
Advanced Lecture:心血管性失神の見逃しに注意!
  • おわりに

11.PSA値の意味するものは?【宮田靖志】

  • はじめに
  • 実際の臨床で前立腺癌にどの程度遭遇するのか
  • PSAの診断特性
  • 年齢別のPSA基準値
  • 基準値PSA<4 ng/mLならひとまず安心してよいか?
  • PSAの値と進行度
Advanced Lecture:
  • 前立腺癌の検診をどうするか
  • PSAの値が微妙なとき,free/total PSAが有用な可能性がある
  • おわりに

12.感染性心内膜炎を疑った際の心エコーの有効な使い方を教えてください【吉田路加】

  • はじめに
  • 感染性心内膜炎における心エコーの診断特性
  • 心エコーによる予後の予測
  • 合併症の評価
Advanced Lecture:ペースメーカや植え込み型除細動器などの心内機器に関する心内膜炎の診断
  • おわりに

13.β-D-グルカンの真菌感染症に対する診断特性は?【上田晃弘】

  • はじめに
  • β-D-グルカンの真菌感染症に対する検査特性
  • おわりに

14.尿中肺炎球菌抗原,尿中レジオネラ抗原の診断特性【島田利彦】

  • はじめに
  • 尿中抗原検査の特徴とピットフォール
  • おわりに

15.H. pylori感染の診断と治療効果判定のしかたを教えてください【小林健二】

  • はじめに
  • 検査法の種類と特徴
  • 診断のための検査
  • 治療効果判定のための検査
  • おわりに

第4章 Advanced Lecture:トピックスとなっている検査

1.急性冠症候群における血中心筋トロポニンの診断特性は?【佐藤幸人】

  • はじめに
  • ■ 心筋トロポニン測定の実際
  • おわりに

2.心不全に対する血中BNPの診断特性は?【上野勝則】

  • 心不全の臨床診断
  • ナトリウム利尿ペプチド系
  • 呼吸困難とBNP
  • BNP値に影響を与える因子
  • 収縮機能障害性心不全と拡張機能障害性心不全
  • 予後判定
  • 治療効果
  • 心不全の臨床診断
  • おわりに

3.抗CCP抗体の診断特性は?【西村邦宏】

  • はじめに
  • 開業医の先生からの紹介状
  • RF陽性ならリウマチ?
  • 抗CCP抗体の有用性
  • おわりに

4.プロカルシトニンの臨床的意義は何か?【内田大介/岩田健太郎】

  • はじめに
  • さて,プロカルシトニンとは何であろうか
  • 細菌感染症にCRPとPCTのどちらがいいのであろうか
  • PCTを実臨床の場でどう用いるか
  • PCTの問題点とは何であろうか
  • おわりに

5.QFTはどう使う?【岩田健太郎,土井朝子】

  • はじめに
  • QFTとは(ややこしいぞ!)
  • 肺結核疑いの患者にQFTは使えるか
  • 潜在性結核疑いの患者にQFTは使えるか
  • 曝露後精査にQFTは使えるか
  • QFTの問題点

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  • 【本書名】レジデントノート増刊:診断に直結する 検査の選び方、活かし方〜無意味な検査をなくし,的確に患者の状態を見抜く!
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