筆者が医学生だった頃は3年生(学部1年生)で解剖学,生化学,生理学などの基礎系科目の講義が始まり,5年生(学部3年生)から臨床講義と臨床実習が始まるというカリキュラムでした.基礎の講義では,臨床ではどの内容が重要なのかさっぱりわからないまま試験のために勉強していたといったところでした.筆者の大学では内科や外科の臨床講義は5年生と6年生の合同でしたが,5年生になりこれらの臨床講義が始まると当初は全くついていけませんでした.人体を全身的に捉えた生理学が理解できていなければ,何が異常でどこに問題があるのか理解するのは難しかったのです.そこで,5年生の間にもう一度生理学を最初から復習することにしました.このお陰で臨床講義も段々理解できるようになりました.また,このときに生理学を復習したことは,卒業後から現在に至るまで非常に役立っています. (中略) 基礎系科目はどの科目も臨床医にとって重要ですが,そのなかでも特に生理学は人間の体の正常な状態を理解するうえで必要不可欠です.本特集では「臨床現場で役立つ生理学」ということで,循環の基礎と循環不全,呼吸不全の病態について,また腎臓や血液凝固・線溶系,糖代謝系,電解質異常について各分野のエキスパートに解説していただいています.臨床からみて必要な生理学の知識というものを整理できることをめざしています.誌面の都合で神経系など今回触れなかった分野もありますが,神経系はむしろ循環にも呼吸にも関与しており,それらの一部として各稿に含まれてくるものと考えています.神経系に特化したような部分に関しては,各自勉強する時間を設けていただければと考えています. 卒業後の早いうちにもう一度生理学の基本を学び習得することで,今後の臨床の糧にしていただければ幸いです.
筆者が医学生だった頃は3年生(学部1年生)で解剖学,生化学,生理学などの基礎系科目の講義が始まり,5年生(学部3年生)から臨床講義と臨床実習が始まるというカリキュラムでした.基礎の講義では,臨床ではどの内容が重要なのかさっぱりわからないまま試験のために勉強していたといったところでした.筆者の大学では内科や外科の臨床講義は5年生と6年生の合同でしたが,5年生になりこれらの臨床講義が始まると当初は全くついていけませんでした.人体を全身的に捉えた生理学が理解できていなければ,何が異常でどこに問題があるのか理解するのは難しかったのです.そこで,5年生の間にもう一度生理学を最初から復習することにしました.このお陰で臨床講義も段々理解できるようになりました.また,このときに生理学を復習したことは,卒業後から現在に至るまで非常に役立っています.
(中略)
基礎系科目はどの科目も臨床医にとって重要ですが,そのなかでも特に生理学は人間の体の正常な状態を理解するうえで必要不可欠です.本特集では「臨床現場で役立つ生理学」ということで,循環の基礎と循環不全,呼吸不全の病態について,また腎臓や血液凝固・線溶系,糖代謝系,電解質異常について各分野のエキスパートに解説していただいています.臨床からみて必要な生理学の知識というものを整理できることをめざしています.誌面の都合で神経系など今回触れなかった分野もありますが,神経系はむしろ循環にも呼吸にも関与しており,それらの一部として各稿に含まれてくるものと考えています.神経系に特化したような部分に関しては,各自勉強する時間を設けていただければと考えています.
卒業後の早いうちにもう一度生理学の基本を学び習得することで,今後の臨床の糧にしていただければ幸いです.
循環・呼吸生理といった現場で必要な生理学の考え方を解説.「循環モニタリングは血圧だけじゃダメ?」「低酸素血症に関わる病態は?」など身近な疑問や症例を通して,知識と臨床が結びつき生理学を実践に活かせる!
本書は全国の羊土社取扱書店にてご購入いただけます.店頭にて見当たらない場合は,下記情報を書店にお伝え下さい.
お近くに取扱書店が無い場合,特に海外でご覧になりたい場合,羊土社HPでのご注文および発送も承っておりますので,下記ご参照のうえ,注文をご検討ください.
本書を羊土社HPにてご購入いただきますと,本体価格に加えて,送付先・お支払い方法などにより下記の費用がかかります.お手続き等詳細は書籍購入案内のページをご参照ください.
※この表は本書のみご購入いただいた場合の費用をまとめたものです.他の書籍を同時に購入する場合はお申し込み金額や重量により費用が異なってまいりますのでご注意ください.