せん妄診療で,やるべきこと,気をつけるべきことを,現場に即して具体的に解説.診療フローに沿った構成と,情報やポイントをまとめた豊富な図表で,知りたいことがすぐわかる.薬剤の処方例,使い分けも多数掲載!
一般的な専門書と違うところは、私たちがとても迷いやすい箇所の「対応の具体例」が記されていることでした。 ボリュームもちょうどよく、本当に読みやすい内容でした。新人や若手はもちろん、教育的立場の方にも、多くの方にお読みいただきたい1冊です。
臨床心理士(市中病院 精神神経科)
これまで,学会や講演のみで知られていた「岡山大学病院精神科リエゾンチーム」のせん妄対策のノウハウが,ついに書籍として多くの医療者に公開されることとなった! 著者である井上真一郎先生は,他科連携を中心に行う“リエゾン精神医療”のスペシャリストである.特に,せん妄対策を,“どの施設でも! 誰にでも!”取り組める形で構造化した草分け的存在であり,その洗練されたアイデアと説得力のある解説には定評がある.その著者が満を持して書き下ろした本書について以下に簡単に解説する. 本書は,基礎編と実践編の2部構成となっている.基礎編では,効果的・効率的なせん妄対策を行ううえで必要な予備知識について,疫学や病態などにはあえて触れずにまとめられている.これは,「臨床現場ですぐに活かせる超実践的なマニュアル本をつくりたい!」という著者の強い意気込みの表れと想像でき,実践的な知識に絞った内容となっている. まず,せん妄の3因子についてわかりやすく解説されており,適切なアプローチについての理解を深めることができる.また「せん妄対策はリスクの引き算である」というユニークな捉え方が強調されており,シンプルで受け入れやすいメッセージである.そして,せん妄との鑑別に苦慮する認知症やうつ病との鑑別ポイントについても,臨床的視点から詳しく述べられている.予備知識の確認の後は,効果的・効率的な対策や対応について,診療フローに沿って具体的な解説が続く.これを読むと,いかに予防が大切で効果的であるかがよくわかるとともに,予防対策としてできることが想像以上にたくさんあることが理解できる. そして,本書の最大の特徴の一つが,せん妄マネジメントのための処方例について,かなりのページを割いて具体的に解説されていることである.そのため,忙しい医療者にとって,せん妄の診断がつけば,すぐに実臨床で活用できるように工夫されている 実践編では,「術後せん妄」「アルコール離脱せん妄」そして「緩和医療におけるせん妄」とシチュエーションごとに対策が紹介されており,多様なせん妄診療においても,各領域での注意点が把握しやすい.全体として,①予防,②せん妄の3因子,③時系列,④多職種介入,⑤スタッフ教育の5つの観点からの内容が,図表も豊富に取り入れて解説されており,ポイントも明瞭で極めて実用的な書籍であると感じる.せん妄診療に携わる初学者のみならず,これまですでに対応を行ってきたすべての医療者にとっても有用な実践書である. 『レジデントノート2020年1月号』より転載
谷向 仁(京都大学大学院医学研究科/同医学部附属病院 緩和医療科)
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