レジデントノートインタビューコーナー『あの先生に会いたい!』では,さまざまなフィールドでご活躍中の先生に,医師として歩んでこられた道のりや,現在,そして将来のこと,さらに私生活とのバランスの取り方などについて語っていただきます.また番外編では,本誌に収まりきらなかった内容をホームページ限定で紹介していきます.
渡邉先生(以下、敬称略):研修医時代に何か今だから言えるような失敗談とかありますか。
田中先生:もちろん、いっぱいあり過ぎて言えないぐらいあります。決してできる研修医ではなかったです。たぶん普通の人よりも多く失敗したと思うし、重い患者さんに出会う運ももっていました。だけども、一つだけ思ったことは、同じ失敗はしないということです。だから、そういう失敗を集めていくと、本になります。おそらく頭の良い人っていうのは指導医に向いていないです。なぜなら苦労しないで、自然にできてしまうから。そういう頭の良い指導医からは逆に、「君がわからないのがわからない」って言われてしまいます。
この前、研修医時代に指導医だった先生にたまたま学会で会ったんですが、いきなり「君がこんなになるとは思ってなかった」ってはっきり言われました。今まで何回も失敗してね、横須賀のとき、聖路加のとき、アメリカへ行ってもまだできなかったし、日本に帰って救急やってからも失敗したし、今でも失敗しています。人間である限り失敗しますが,やっぱりそれをどう生かすかですね。たくさん失敗したから、もう失敗しないようにと思って今みたいなことをやっているんです。たぶんできる人はこういうことしないと思いますよ。
渡邉:それは何だか心強い。
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