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siRNA医薬の開発動向:その課題と克服のための要素技術

Trend and development of siRNA therapeutics
山田陽史
Yoji Yamada:Nucleic Acid Medicine Research Laboratories, Research Functions Unit, R&D Division, Kyowa Hakko Kirin Co., Ltd(協和発酵キリン株式会社 研究開発本部 研究機能ユニット 核酸医薬研究所)
10.18958/6283-00001-0001340-00

RNA干渉(RNAi)の発見から20年が経過した2018年,RNAiを利用したsiRNA医薬がはじめて上市された.siRNAは生体内に存在する機構を利用して標的遺伝子の発現を特異的に強く抑制することから,遺伝子の機能解析研究ツールとしてだけでなく,当初から既存モダリティでは達成困難な疾患への治療薬としての展開が期待されていた.一方で医薬品として用いるには種々の課題が存在するが,近年,核酸修飾や核酸デリバリー技術の進展に従って,特に肝臓で発現する遺伝子を標的としたsiRNA医薬品に関してはヒトに安全に投与されるレベルに達し,上市品以外にも多数の薬剤が臨床試験中である.今後も技術開発の発展とともに,新たな治療法の提供に大きな役割を果たしていくものと期待される.

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