スマホで読める実験医学
550円

CpGオリゴデオキシヌクレオチドの開発動向

Research and Development of CpG oligodeoxynucleotides
小檜山康司,石井 健
Kouji Kobiyama1)/Ken Ishii2)〜4):La Jolla Institute for Immunology1)/The Institute of Medical Science, The University of Tokyo2)/Center for Vaccine and Adjuvant Research(CVAR),National Institutes of Biomedical Innovation, Health and Nutrition(NIBIOHN)3)/Laboratory of Vaccine Science, Immunology Frontier Research Center(IFREC),Osaka University4)(ラホヤ免疫研究所1)/東京大学医科学研究所2)/医薬基盤健康栄養研究所ワクチンアジュバント研究センター3)/大阪大学免疫学フロンティア研究センター4)
10.18958/6283-00001-0001342-00

Toll-like receptor(TLR)9の合成リガンドであるCpGオリゴデオキシヌクレオチド(CpG ODN)は強い自然免疫活性化能を有しており,ワクチンのアジュバントとして働くことが知られている.2017年には世界ではじめてCpG ODN含有B型肝炎ワクチンであるHeplisav-Bがアメリカ食品医薬品局(FDA)によって承認された.CpG ODNの用途は多岐にわたり,感染症やがんワクチンのアジュバントとしてのみならず,単剤または併用療法で抗腫瘍薬や抗アレルギー薬としても開発研究が行われており,現在までに100を超える臨床試験が進められてきた.さらには新規次世代型CpG ODNの報告も次々となされている.本稿ではCpG ODNの歴史を振り返るとともに,最新の臨床試験と次世代型CpG ODN開発研究をわれわれの研究成果とともに解説する.

CpG ODN,アジュバント,ワクチン,ナノ粒子型

この記事は有料記事です

(残り約11,100文字)

  • 【スマホで読める実験医学】CpGオリゴデオキシヌクレオチドの開発動向
    550円