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核酸医薬の体内動態とDDS技術

Nucleic acid drugs: Tissue distribution and DDS technology
西川元也
Makiya Nishikawa:Faculty of Pharmaceutical Sciences, Tokyo University of Science(東京理科大学薬学部)
10.18958/6283-00001-0001343-00

核酸医薬は高分子であり,高分子に共通する体内動態特性を示す.一方で,体内動態に大きく影響するタンパク質結合性は,核酸医薬の化学修飾や構造に依存する.ホスホロチオエート化核酸は血中タンパク質結合率が高く,循環血液中に移行後は肝臓に徐々に移行する.一方,モルフォリノ核酸のタンパク質結合率は低く,比較的すみやかに糸球体濾過を受け体内から消失する.脂質ナノ粒子やガラクトース修飾,DNAナノテクノロジーを利用することで,核酸医薬の体内動態制御が試みられている.本稿では,承認済の核酸医薬を例に,体内動態の制御技術を紹介する.

糸球体濾過,タンパク質結合,脂質ナノ粒子,DNAナノテクノロジー

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