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がんによる宿主免疫監視機構破綻のメカニズム

The disruption of host immune surveillance by cancer cells
前島佑里奈,河口浩介
Yurina Maeshima1)/Kosuke Kawaguchi1)2):Department of Breast Surgery, Kyoto University Hospital, Graduate School of Medicine1)/Mie University, Department of Breast Surgery, Breast Center2)(京都大学医学部附属病院乳腺外科1)/三重大学医学部附属病院乳腺外科学乳腺センター2)
10.18958/7427-00001-0001355-00

リンパ節は大量の免疫細胞が存在し,宿主免疫機構の中核を担っている.いわゆる免疫の関所の働きをしているにもかかわらず,さまざまながん種においてがんが最初に転移する臓器である.がん細胞は巧妙に免疫細胞に作用し,免疫からの回避を試みる.従来,がんに侵蝕されたリンパ節は有害とみなされ,手術による摘出が一般的であった.しかし,免疫療法の登場に伴い,リンパ節制御に対する認識に変化が訪れている.本稿では,前半でがん細胞が免疫細胞に及ぼす直接的な影響について述べ,後半で免疫療法とリンパ節との関係に焦点をあてる.

リンパ節転移,乳がん,CD169マクロファージ,免疫療法

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