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神経炎症制御にかかわるNG2グリア

Roles of NG2 glia in neuroinflammation
田村泰久,片岡洋祐
Yasuhisa Tamura/Yosky Kataoka:RIKEN Center for Life Science Technologies/RIKEN CLST-JEOL Collaboration Center(理化学研究所ライフサイエンス技術基盤研究センター・細胞機能評価研究チーム/理化学研究所CLST-JEOL連携センター・マルチモダル微細構造解析ユニット)
10.18958/5567-00001-0001495-00

種々の神経変性疾患や精神疾患の発症および進展には,脳内炎症の慢性化が関係する.これまで神経細胞の支持細胞と考えられてきたグリア細胞が神経機能を調節するだけでなく,神経炎症のプロセスにも深くかかわることが明らかとなってきた.グリア細胞には,アストログリア,オリゴデンドログリア,ミクログリア,NG2グリアの4種類があり,それぞれが異なる役割を担っている.これらのなかでも,ミクログリアやアストログリアは神経炎症の増悪に伴う神経変性疾患の進行に関与することが知られている.最近,神経炎症制御にかかわる新たなグリア細胞が見出され,注目されている.本稿では,これらの知見について紹介する.

NG2グリア,脳内炎症,神経変性疾患

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