スマホで読める実験医学
550円

脳・脊髄の障害による神経–免疫制御システムの破綻

Brain-immune interaction in CNS injuries
上野将紀
Masaki Ueno:Department of System Pathology for Neurological Disorders, Brain Research Institute, Niigata University(新潟大学脳研究所システム脳病態学)
10.18958/5567-00001-0001492-00

脳や脊髄が障害されると,感染症のリスクが高まる.その要因の1つとして,免疫機能の低下が指摘されている.神経系による免疫の制御機構が明らかになるにつれ,脳や脊髄の障害により神経–免疫システムに異常が起こり,免疫機能の抑制や感染症の増大につながることがわかってきた.本稿では,臨床と基礎研究の両面から,これらの事象とメカニズムについて概説する.神経系を制御して免疫機能を改善できれば,脳脊髄の障害によって起こる感染症の新たな治療標的となるかもしれない.

神経回路,免疫,脳卒中,脊髄損傷

この記事は有料記事です

(残り約9,200文字)

  • 【スマホで読める実験医学】脳・脊髄の障害による神経–免疫制御システムの破綻
    550円