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細菌細胞の大きさはどのようにして制御されるか

Cell size homeostasis in bacteria
加藤 節
Setsu Kato:Graduate School of Advanced Sciences of Matter, Hiroshima University(広島大学大学院先端物質科学研究科)
10.18958/5663-00001-0001560-00

細菌はどのようにして個々の細胞の大きさを一定の範囲内に保つのだろうか.これは半世紀以上も前から問いかけられてきた謎だが,現在でもその制御機構の詳細は明らかでない.「細胞は決まった大きさになると分裂する」という考え方がこれまでによく用いられてきたが,モデル細菌における1細胞定量解析により,「細胞は誕生した後に一定の体積だけ増大して分裂する」というadderモデルが近年注目を集めている.そこで本稿では,原核生物における細胞の大きさの制御について,その歴史的背景と最新の知見を紹介する.

細胞長の恒常性,1細胞解析,sizer,adder

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