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システム制御の観点で眺める組織・器官のサイズ調節

Size regulation of biological tissues and organs from a perspective of system control
平島剛志
Tsuyoshi Hirashima:Department of Pathology and Biology of Diseases, Graduate School of Medicine, Kyoto University(京都大学医学研究科病態生物医学)
10.18958/5663-00001-0001561-00

生体組織や器官には,それぞれ固有のサイズがある.サイズは機能と密接に関連する量であり,発生や成長の過程においても,常に目標とするサイズ値に収束する調節メカニズムが内在していると考えられる.近年,組織レベルでのサイズ調節を,組織の構成ユニットである細胞の集団相互作用による産物と捉え,細胞を主体とする制御系を考えることでシステム的理解をめざす研究が進められている.本稿では,生体組織・器官のサイズ調節をシステム制御の観点から概説する.後半では,機械的な力刺激を利用することで組織サイズ調節が行われる例を2点紹介する.

システム,フィードバック制御,メカニカルフィードバック,アクトミオシン収縮,単層上皮サイズ,細胞の配置換え,上皮管径

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