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前後軸パターンのサイズ調節制御機構:プラナリア再生モデル

Anterior-posterior patterning and proportioning during planarian regeneration
梅園良彦
Yoshihiko Umesono:Graduate School of Life Science, University of Hyogo(兵庫県立大学大学院生命理学研究科)
10.18958/5663-00001-0001562-00

プラナリアは「切っても切っても再生できる」不思議な生きものである.その高い再生能力は全身に存在している分化多能性幹細胞(ネオブラスト)に基づいており, 切断後,ネオブラストは体の位置情報に従って適切な細胞種へと分化することで失われた器官や組織を再生する.プラナリアの再生研究は,今から100年以上も昔にはじまり,現在においてはRNA干渉による遺伝子機能阻害実験によってその分子機構の理解が飛躍的に進んでいる.本稿では,プラナリアの前後軸パターンの再生機構について概説し,さらには,前後軸パターンのサイズ調節をつかさどる根本的な原理の解明に向けたわれわれの最新の成果についても解説する.

プラナリア,再生,位置情報,スケーリング

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