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インスリン/IGF-1による栄養応答シグナル制御の解明:健康長寿への寄与をめざして

Mechanisms of nutrient response regulated by insulin/IGF-1 signaling―Contribution to healthy longevity
阪口雅司,窪田直人
Masaji Sakaguchi/Naoto Kubota:Department of Metabolic Medicine, Faculty of Life Sciences, Kumamoto University(熊本大学大学院生命科学研究部代謝内科学講座)
10.18958/7569-00001-0001743-00

健康で長寿を保つことは,古代から現代に至るまで人類共通の願望である.近年,科学技術の進歩により,老化のメカニズムや関連するシグナル伝達経路の理解が飛躍的に進展している.そのなかでも,栄養応答シグナルを制御するインスリン/インスリン様成長因子(insulin-like growth factor:IGF)-1シグナル伝達系は,老化や寿命調節においても中心的な役割を果たすことが明らかになっている.インスリンとIGF-1は類似した構造をもち,インスリンは主に代謝,IGF-1は細胞増殖において重要な役割を果たすホルモンである.本稿では,インスリン/IGF-1シグナル下流の,FoxO,FoxKといった主要な転写因子を中心に,インスリン/IGF-1による栄養応答シグナル制御と健康長寿に関する最新の知見を考察する.

インスリンシグナル,IGF-1,FoxO1,FoxK1,FoxK2

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