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リンと食理学

Phosphorus and Dietology
瀬川博子,竹谷 豊
Hiroko Segawa1)/Yutaka Taketani2):Department of Applied Nutrition, Institute of Biomedical Sciences, Tokushima University Graduate School1)/Department of Clinical Nutrition and Food Management, Institute of Biomedical Sciences, Tokushima University Graduate School2)(徳島大学大学院医歯薬学研究部応用栄養学分野1)/徳島大学大学院医歯薬学研究部臨床食管理学分野2)
10.18958/7569-00001-0001740-00

リンは,人体の必須元素の1つであり,ATP合成,シグナル伝達,骨や歯の構造など,多様なプロセスに必要とされる.リンは,食品に多く含まれており通常の食事では不足や欠乏することはなく,リン不足や欠乏予防よりも,過剰摂取回避が重要視されている.一方で血中リン濃度は高すぎても低すぎても,健康に悪影響を及ぼす.したがってリン代謝調節の破綻は成長遅延のみならず,腎臓病,骨代謝異常をはじめとする慢性疾患発症に関与し,多臓器の老化進行にも関与することから,ヒトの疾患を理解するうえでリン代謝の理解は重要である.

リン,リン酸,腸,腎臓,骨

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