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細胞老化現象に着目した新たながん治療戦略

Cancer treatment through cellular senescence-focused strategise
脇田将裕,原 英二
Masahiro Wakita1)/Eiji Hara2):Department of Aging Biology, Immunology Frontier Research Center, Osaka University1)/Department of Molecular Microbiology, Research Institute for Microbial Diseases, Osaka University2)(大阪大学免疫学フロンティア研究センター1)/大阪大学微生物病研究所2)
10.18958/6977-00001-0000031-00

2人に1人ががんにかかるとされる現代において,がんをいかに制御するのかが最重要課題の1つである.細胞老化は細胞周期を不可逆的に停止する現象として発見され,異常な細胞が増殖することを防ぐがん抑制機構であると広く認知されている.一方で,細胞老化を起こした細胞は,すぐに死滅することなく生体内に蓄積し,さまざまな炎症性物質を分泌することで発がんを促進する二面性があることが最近になって提唱された.そこで,本稿ではがんと細胞老化の関係解明を通じて,いかにしてがんを制御するのか最新の知見を紹介しながら今後の展望を考察する.

がん,細胞老化,SASP,senolysis

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