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呼吸器感染症における粘膜免疫

Mucosal immunity in respiratory infections
柴田岳彦
Takehiko Shibata:Department of Microbiology, Tokyo Medical University(東京医科大学微生物学分野)
10.18958/7281-00001-0000486-00

新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより,これまで以上に「感染症」が身近になった.ウイルスの変異に伴い重症度も変化したが,それでもそれには個人差があった.この違いについて,当初ファクターXが提唱されるなどしたが,まだ決定的な答えは出ていない.これまでに,少なくとも高齢,肥満,糖尿病など個体レベルでのリスクファクターが判明しているが,分子・細胞レベルでの研究は続いている.本稿では,呼吸器感染症における粘膜免疫からはじまる免疫応答について紹介し,その重症化メカニズムについて考えてみたい.

気道上皮,微生物叢,細胞老化,Gas6/Axl,重症化

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