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リソソームの細胞内分布制御の破綻と神経変性疾患

Dysregulation of lysosomal positioning in neurodegenerative diseases
笹澤有紀子,斉木臣二
Yukiko Sasazawa1)2)/Shinji Saiki2)3):Research Institute for Diseases of Old Age, Juntendo University Graduate School of Medicine1)/Department of Neurology, Juntendo University Graduate School of Medicine 2)/Department of Neurology, Institute of Medicine, University of Tsukuba3)(順天堂大学大学院医学研究科老人性疾患病態・治療研究センター1)/順天堂大学大学院医学研究科神経学講座2)/筑波大学医学医療系神経内科学分野3)
10.18958/7277-00001-0000514-00

リソソームが機能を発揮するには,内部のプロテアーゼ活性が必要であることは言うまでもない.それだけでなく,2010年前後からリソソームの「細胞内での分布」が細胞応答を制御することが明らかとなり,リソソームの輸送機構が注目されている.特に軸索の長い神経細胞では,リソソームの適切な輸送が機能維持において重要であると考えられる.本稿では,最近解明されつつあるリソソームの細胞内分布制御の破綻と神経変性疾患の関連についてまとめる.また,後半はこれまでに報告されているリソソーム分布制御機構をわれわれが最近発表した新しい知見とともに紹介する.

リソソーム,逆行輸送,オートファジー,神経変性疾患

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