スマホで読める実験医学
550円

炎症病態を制御するシグナル伝達ハブとしてのリソソームの役割

Role of lysosomes: as signaling hubs in regulating inflammatory responses
徐 立恒,辻本考平,熊ノ郷 淳
Tatsunori Jo/Kohei Tsujimoto/Kumanogoh Atsushi:Department of Respiratory Medicine and Clinical Immunology, Osaka University(大阪大学大学院医学系研究科呼吸器・免疫内科学)
10.18958/7277-00001-0000511-00

リソソームは内部に多種の消化酵素をもち,細胞外の異物や細胞自身の老廃物処理を担うオルガネラとして知られている.受容体からのシグナル伝達において,リソソームはリガンドと結合した受容体が分解を受けることによりシグナルが終結する場であると長い間考えられてきた.しかし近年では,細胞内外のシグナル伝達にかかわるオルガネラであると同時に,シグナルの強度,質,時空間を精密に制御する重要な場であることが知られつつある.本稿では,炎症病態制御におけるリソソームのシグナル伝達に関するこれまでの知見を概説する.

リソソーム,NLRP3インフラマソーム,シグナル伝達,Ragulator複合体

この記事は有料記事です

(残り約7,600文字)

  • 【スマホで読める実験医学】炎症病態を制御するシグナル伝達ハブとしてのリソソームの役割
    550円