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アジュバントから考えるサイトカインストームの発症機序とその制御法

Induction and regulation of cytokine storm by adjuvants
林 智哉,石井 健
Tomoya Hayashi /Ken J Ishii:Division of Vaccine Science, Department of Microbiology and Immunology, The Institute of Medical Science, The University of Tokyo/ International Research and Development Center for Mucosal Vaccines, The Institute of Medical Science, The University of Tokyo/ Laborotory of Mock Up Vaccine, Center for Vaccine and Adjuvant Research, National Institute of Biomedical Innovation, Health and Nutrition(東京大学 医科学研究所 感染・免疫部門 ワクチン科学分野/ 東京大学 医科学研究所 国際粘膜ワクチン開発研究センター / 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 モックアップワクチンプロジェクト)
10.18958/6765-00001-0000693-00

アジュバントは,一般的にワクチン抗原とともに投与することにより,所属リンパ節などの局所における抗原特異的な免疫応答を増強・制御する目的で用いられる.一方,アジュバントの多くは,宿主内での炎症反応を誘導する物質であり,ワクチン製剤として安全に局所にとどまらせた場合ではなく,大量のアジュバントを全身的に作用させた際は,過剰な炎症性サイトカイン産生(サイトカインストーム)が起こることが知られている.つまり,アジュバントによって誘導されるサイトカインストームは,感染症や無菌性炎症に起因するサイトカインストームの病態を理解するうえで有用なモデルとなりうる.本稿では,アジュバントを投与した際に生じる,副反応を引き起こす全身的なサイトカイン産生状態をサイトカインストームと捉え,その発生の分子メカニズムや予防,治療につながる新たな制御法について概説する.

アジュバント,ワクチン,TLR,PAMPs

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