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レニンアンジオテンシン系とサイトカインストームを伴う急性肺傷害:ACE2の役割

Renin angiotensin system and acute lung injury:roles of ACE2
貫和亮太,市田 悠,椎森仁美,今井由美子
Ryota Nukiwa /Yu Ichida /Masami Shiimori /Yumiko Imai:National Institutes of Biomedical Innovation, Health and Nutrition, the Laboratory of Regulation for Intractable Infectious Diseases(国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 ワクチン・アジュバント研究センター 感染病態制御ワクチンプロジェクト)
10.18958/6765-00001-0000695-00

アンジオテンシンⅡ(AngⅡ)はレニンアンジオテンシン系を正に,アンジオテンシン変換酵素2(ACE2)は負に調節することによって,心血管系の恒常性の維持や疾患の発症にかかわっている.われわれは,サイトカインストームを伴う重症型の急性肺傷害において,AngⅡ-AT1経路はその悪化に,ACE2-AT2経路は保護的に作用することを明らかにした.また,ACE2はSARS-CoV,SARS-CoV2の受容体であることから,抗ウイルス薬の創薬標的となっている.過去にわれわれは,ACE2可溶性タンパク質がSARSのサイトカインストーム,肺傷害を抑制することを報告したが,最近COVID-19においても,ACE2可溶性タンパク質が感染の成立を抑制する結果が報告された.ここでは,レニンアンジオテンシン系とSARS/COVID-19を含むサイトカインストームを伴う急性肺傷害について,ACE2に焦点を当てて概説する.

レニンアンジオテンシン系,ACE2,急性肺傷害,サイトカインストーム,SARS,COVID-19

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