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塩基編集技術の最前線

Frontiers in base editing technology
片山健太,西田敬二
Kenta Katayama/Keiji Nishida:Engineering Biology Research Center, Kobe University(神戸大学先端バイオ工学研究センター)
10.18958/6797-00001-0000727-00

「切らないゲノム編集技術」ともよばれる塩基編集は,従来の切断型CRISPRによるゲノム編集よりも細胞毒性が低く,鋳型核酸なしに精微な塩基変換を可能とするため,遺伝子治療から植物・微生物育種など幅広い分野での応用性が期待されている.本稿では,DNA脱アミノ化酵素を用いる塩基編集の原理から開発過程について解説し,さらに概念実証から5年という短い期間で飛躍的に拡大充実してきた新たな機能性や改良について,特に編集特性や効率,変換塩基の方向性,低オフターゲット化などの最新の具体的な知見とともに紹介する.

塩基編集,Target-AID,base editor,塩基除去修復,ヌクレオチド除去修復

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