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がんと選択的オートファジー

Selective autophagy in cancer
山本恵介
Keisuke Yamamoto:Department of Gastroenterology, Graduate School of Medicine, The University of Tokyo(東京大学大学院 医学系研究科・消化器内科)
10.18958/6859-00001-0000778-00

オートファジーは,がん細胞において,その高い代謝要求を満たすことで生存・増殖を促進するのみならず,損傷オルガネラ・凝集体の除去による細胞内恒常性の維持,シグナル伝達経路の制御,さらには免疫逃避にも関与することが明らかとなり,がんの治療標的として注目を集めている.一方,オートファジーは,正常細胞においては発がん抑制作用を発揮すること,またがん種・がんの進展の段階に応じて異なった役割を果たすことも多く,こうした複雑性の一部は,多様なオートファジー受容体を介した選択的オートファジーの関与によって説明可能と考えられる.本稿では,選択的オートファジーの発がん・がん細胞における働き,さらにオートファジーと腫瘍免疫とのかかわりについて概説する.

オートファジー,オートファジー受容体,抗腫瘍免疫,MHC-Ⅰ

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