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神経発生パターニングと大脳・海馬・脊髄オルガノイド:パターニング制御によるさまざまな神経領域の分化誘導

Cerebral, hippocampal, and spinal cord organoids: a story from the perspective of neuro-developmental patterning
坂口秀哉
Hideya Sakaguchi:RIKEN Center for Biosystems Dynamics Research, BDR-Otsuka Pharmaceutical Collaboration Center, Neural Organogenesis Laboratory(理化学研究所生命機能科学研究センター 理研BDR-大塚製薬連携センター 神経器官創出研究)
10.18958/6939-00001-0000825-00

大脳皮質は高次脳機能を含むさまざまな機能を司る神経領域であり,発生学的には神経管の前方に形成される.海馬は大脳皮質の背内側に形成され,記憶や学習の中枢となる組織である.脊髄は発生過程において神経管の後方に形成され,運動や知覚の伝達にかかわる.このような大脳皮質,海馬,脊髄を含む神経領域の発生学的知見をもとに,われわれはSFEBq法という分化誘導法を用いて,各神経領域のヒト多能性幹細胞由来三次元組織を分化誘導することに成功してきた.本稿ではこれら神経分化誘導研究に関するこれまでのわれわれの研究を,パターニングの観点を中心に解説する.

SFEBq,ヒト多能性幹細胞,大脳皮質,海馬,脊髄

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