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四肢パターン形成の再現をめざした肢芽組織の再構築

Self-organized formation of developing appendages from murine pluripotent stem cells
森 俊介,永樂元次
Shunsuke Mori1)/Mototsugu Eiraku2):Institute of Research, Tokyo Medical and Dental University1)/Institute for Frontier Life and Medical Sciences, Kyoto University2)(東京医科歯科大学 臓器発生・創生ユニット1)/京都大学 ウイルス・再生医科学研究所2)
10.18958/6939-00001-0000828-00

肢芽(四肢の原基)は,発生過程におけるパターン形成,進化過程における形態遷移,そして器官再生メカニズムを解析するためのモデル組織として,多くの研究者を魅了する組織の一つである.試験管のなかで肢芽組織を再構築することができれば,より詳細な四肢パターン形成の解析ができるだけでなく,骨系統疾患の原因遺伝子探索や哺乳類の四肢再生を可能にする組織パーツとしての応用が期待できる.本稿では,マウスES細胞から作製した肢芽様組織の分化様式を解説し,現状どこまで生体の肢芽を再現できているのかを明示する.そして肢芽様組織の課題を例に挙げ,次世代のオルガノイド作製に必要な技術を最新の研究報告を参照しながら議論する.

ES細胞,肢芽,パターン形成,体軸の再構成

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